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第39話 その頃のスライドのパーティ(5)

 一方、その頃スライドのパーティは。


 乗合馬車でなんとかリーベの港へたどり着いていた。


「まったく、私がひそかに貯めていたへそくりを使う羽目になるなんてね」

 僧侶のミレイが言う。


「助かったぜ、ミレイ。後はこの海を越えれば北の大地だ」

 スライドがミレイに感謝の言葉を口にする。


「しかし、どうやってこの海を渡るんだ?」

 戦士のエドガーが疑問を口にする。


「それに関してはあっしにまかせてください、市場でタダ同然で調達してきました」

 シーフのモラドが自信ありげに言う。


「おまえのまかせてくださいはあてにならないからのう」

 魔法使いのメルビルが疑いの目を向ける。


「大丈夫です、立派な船を手に入れましたよ!」

 

 そう言うモラドに連れられてスライド達は海辺に来た。





 そこには小舟……と言っていいのか今にも沈んでしまいそうなボロ船が一隻用意されていた。

 

 なんとかスライドパーティが全員乗れるくらいの大きさだ。


「立派な船って……これか? なんかもっとなんとかならなかったのか?」


「あっしらの今の手持ちの金じゃこれが限界でした」


「くぅ、情けないぜスライド様の勇者パーティともあろうものがこんなボロ船で海を渡らなければいけないなんて!」

 スライドは嘆いた。


「お金があれば帆船に乗ってらくらく海を越えられるのにね」


「ちくしょー、仕方ない。これもよろずの扉の迷宮ダンジョンのお宝を手に入れるためだ!」


 スライド達は、ボロ船……もとい小舟に乗って海を渡る決意をするのだった。


 



 スライド達が小舟に乗って数時間が立った。

「とりあえず快調、快調!!」

 スライドは帆をあやつっていた。


「うぷ……乗り心地は最悪だがな」

 エドガーが船酔いをして口を押さえながら言う。


 その時だった。

「あれは、なんじゃ!?」

 メルビルが遠くの海面を指さす。


 その指差した先には大渦があった。

 それはアクアドラゴンのリュウセイが魔法で作ったものの名残だが、もちろんそれをスライド達が知る由もない。


「これはやべえ、逃げるんだ! 焦げ!」

 スライド達は必至で渦とは逆方向にオールを漕ぐ。


「だめよ! どんどん大渦に引き寄せられていくわ」

 ミレイが焦った声で言う。


 ボロ船はぎしぎしと軋む。船はスライド達の必死の抵抗空しく渦の中心に引き寄せられていく。


「ひえええええええええええええええええええっ!」

 スライド達の悲鳴が海上に響き渡るのだった。

・面白い!


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