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第32話 再来

 俺達はアザミの村から北のロンジョの街の広場を歩いていた。

 ある程度大きな街なので冒険者の宿もある。


 キィは興味津々といった感じで人の群れを見ている。

「マスター、人がいっぱいだよ」


「王都にはもっとたくさんの人がいるぞ」

 俺はキィに話しかける。


「きっと、たくさんの人が珍しいのね」

 アリシアがキィを先導して歩く。


「とりあえず、馬車を買える場所を探そう」

 俺は提案するが。


「あ、大きな服屋があるわ、入ってみない?」

 アリシアは久々に羽を伸ばしているみたいだ。キィと一緒に服屋に入ってしまった。


 俺も仕方なく服屋に入った。

 ステラは興味なさげに店の前に残った。


 そこでは、アリシアによるキィのファッションショーが行われていた。

「きゃー、キィちゃん似合うわ!こっちの服もいいかも」


 すっかりキィはアリシアの着せ替え人形と化していた。

 アリシアはほんとにキィを妹みたいに思っているらしい。


「私も着替えてみよう、いつもアーマーじゃ、肩がこっちゃうわ」

 そう言って、ついにはアリシアも更衣室に入っていった。


「どう、ジョウ君?」

 アリシアはきらびやかなドレスをまとって俺の前に現れた。

 アリシアはまさに一凛の華麗な花のような姿をしていた。さすが貴族、風格もある。

 俺は思わず、その美しさにドギマギする。


「ねえ、ちゃんと見てよ! どう?」


 俺は恥ずかしくなりそっぽを向いて言う。

「いいんじゃないかな……、でも、もうちょっと動きやすい服装の方が。緊張感なさすぎないか?」

 

 その言葉を聞いてアリシアはむっとなり。

「も――――っ、つまんない」


 そう言ってまた着替える。

 今度はハイカラな街娘といった感じの衣装に着替えたが、アリシアの美貌はそんな服でも際立っていた。


「これいいわね、動きやすいし、今日はこの服で過ごそうかしら」

 

 アリシアがそう言った時だった。

 店の戸が開いて黒い鎧の一人の騎士が入ってきた、顔は兜で隠れている。


 店主が

「いらっしゃい……」

 と呼びかけるが男はずんずんとこちらに向かってくる。


 そして男は言った。

「ようやく見つけた、探しましたよ。アリシア様……」


 とどこかで聞き覚えのある声で言う。

 この声の主は誰だったか、頭を巡らせているとなんと男は不意にダガーを取り出した。

 

 そしてアリシアに切りかかる。

 アリシアはとっさに避ける、しかし、街娘の恰好をしていたため右腕に傷を受けてしまう。

 

「何をするんだ!?」

 俺はすかさず剣を取り出すが狭い店内では振り回せない。


 男は兜を脱いで言った。

「久しぶりだなァ、鍵の勇者……ジョウ・ローレット!」

 その顔は忘れもしない、王城で出会ったクリップのものだった。

・面白い!


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