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第27話 北へ

「師匠……」


 リミット、いやシュリセル師匠はもうすでに虫の息だった。


「奴は強敵だった、まさか妖精の森のまやかしも抜けてくるとは……ぐっ」


「師匠、今アリシアが回復呪文を! アリシア!!」

 俺はアリシアを呼び寄せる。アリシアがこちらに向かってくる。


「いや、もうじき私は消える、三百年間この地を守ってきたがその力も既に尽きようとしている」

 

「そんな……、師匠」


 シュリセルは苦しそうに言う。

「ジョウ、北へ迎え! 北の山脈のよろずの扉の迷宮ダンジョンに! そこに求めるものがある」


「シュリセルにぃさま!」

 キィがシュリセルの手を取る。


「嫌だ、にぃさま、死なないで」


「私は死なない、形を変えて生きていく。キィ姫、わが妹よ。おまえはいつか過酷な運命に対面する」

 シュリセルの体が光となっていく。


「そのとき鍵の勇者の力になってやってくれ」


 光は消えていきシュリセル師匠のいた場所には、鍵が一つ残されていた。



 

「じゃあ、行こうか」

 その翌日、俺達は旅の支度をしていた。

 北のよろずの扉の迷宮ダンジョンに旅立つ準備だ。


「それでは、行ってきます師匠……」

 俺は神殿に一礼する。


「マスター、にぃさまは死んでない。ここにいるよ」

 キィがシュリセルが消えた後に残った鍵を指し示す。

 鍵はキィが持っているのが一番いいだろうということになった。


「そうだったな」

 俺はキィの頭に手をやる。髪の毛をクシャッと撫でた。


「結局、キィちゃんの記憶も一部しか戻らなかったね」

 アリシアが言う。


「ああ、でもそのうち色々思い出すさ、それよりステラはこれからどうするんだ?」

 ステラの方を向いて尋ねる。


「乗り掛かった舟や、このまま冒険を続ける。それに鍵の勇者と魔王を倒したとなれば報酬もザックザックやろ。それにあんたらのパーティは火力が足りてへんからな」


「そうか、ありがとう」

 俺は素直に礼を言った。この先もステラがついてきてくれるのは心強い。


「それじゃあ、行こう!よろずの扉の迷宮ダンジョンへ!」


 こうして俺達は一路、よろずの扉の迷宮ダンジョンへと旅立ったのだった。

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