第26話 決着
「ぐ……ふ……、記憶が戻ったのかキィ」
そう言ったシュリセルは風の刃により大ダメージを負っていた、そのまま倒れこむ。
「シュリセルにぃさま……」
キィはそう言ってシュリセルのもとを離れない。
「兄様……?あの二人、兄妹だったのか」
俺は驚く。
シュリセルから大量の血が流れ出ていた。
コビャックはあざ笑う。
「フハハハハハッ、愚かな。娘をかばってやられるとは」
俺は追い詰められていた。
次にあの攻撃をやられたら確実に全員やられる。
しかし、もうこれ以上はマスターキィソードの威力で一万体の魔物どもは抑えられない。
俺にもう少し力があれば……結局ダメなのか?
そう思ったとき俺は師匠の言葉を思い出した。
鍵の一族の姫の力は加速器だと。
俺はキィに呼びかける。
「キィ、こっちに来てくれ!」
「でも、兄様が……」
「師匠を助けるためだ、頼む」
「……マスターの言うことなら」
キィはシュリセルのもとを離れ俺の側に来た。
「力を貸してくれ、鍵の姫」
キィはマスターキィソードの柄を俺と一緒に握る。
瞬間、俺のなかに力が漲る。
「マスターキィソード、超複数遠隔施錠!!」
その時、マスターキィソードから新たな光が放たれる。
光は上空にいるコビャックを襲った。
「なんだ、この力は、まさか鍵の姫の力?」
俺はコビャックを捉えた光を鍵の剣の力で上下に振り強引に地面に叩き落とす。
コビャックは空中に浮いていられず、たまらず落下し強く叩きつけられた。
周囲の地面は今の攻撃でゴッと大きくへこむ。
そこを、師匠は最後の力を振り絞るように唱える。
「隕石召喚!!」
再度隕石が召喚され地面に落ちていく、辺りは周囲の魔物ともども塵と化していく。
コビャックが叫ぶ。
「何……、まさかこんなことで!」
コビャックは光に包まれた。
俺は集中が切れて、片膝をついて座り込む。
だがわずかに残った魔物たちは、コビャックがやられたのを見てほうほうの体で逃げ出していく。
俺はそれを見て呟く。
「勝ったぞ……、なんとか」
・面白い!
という方は広告下の☆☆☆☆☆からの評価、ブックマークへの登録をお願いいたします。
執筆の励みになります!