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第25話 大賢者

 俺は無事、卒業試験を乗り越え地下を脱出し神殿に戻った。

 しかし、様子がおかしい。


 見ると、師匠やアリシア、ステラ、キィが外に出て何かを見つめてる。

 ふと大きな声がする。


「ついに見つけたぞ、大賢者シュリセル!」


 そんな大声が空中に反響して、俺も外に出てみてみると村全体を暗い雲が覆っていた。


「大賢者シュリセルって、昔の鍵の勇者パーティの一員じゃないか!」

 俺は叫ぶ。


「ジョウか、無事試験を卒業したようだな」

 リミット師匠が振り返り言う。


「ジョウ君良かった……、でも」

 アリシアがただごとでない雰囲気で言う。


「魔王の手下がやってきてもーた」

 ステラの言葉に俺は慌てて外を見る。


 村の前方を魔物モンスターが囲んでいた。ウルフやゴブリン、ゾンビなど言った一体一体は強くないが数が段違いだ。


「大賢者シュリセルって師匠のことだったんですか!?」

 俺は師匠に尋ねる。


「昔のことさ……」


「でも大賢者シュリセルの力であればこのぐらいの敵……」


「残念ながら敵の数はざっと一万体以上、そう簡単に片づけられる数じゃない、だから」


「今こそ再覚醒した君の力が必要だ、ジョウ!」

 俺を見て師匠は言った。


「出てこい大賢者シュリセル、そして鍵の勇者!」

 また、声がする。


 遠くの空中に奴はいた。白い虎の魔物が喋っている。

「我こそは、魔王軍四天王の一人ウインドタイガーのコビャック」

 声は続ける。

「魔王様の復活を邪魔する奴らは一人も生かして返さぬ、いくらお前らが強くともこの一万体の部下には叶うまい」

 白い虎の魔物はやがて人の姿になって魔物たちに号令を出す。


「ジョウ、マスターキィソードを!」

 リミット……大賢者シュリセルが言う。


「キィ、こっちへ」

「うん、マスター……!」

 俺は、キィの胸元に手をかざし

施錠解除アンロック!」

 と唱える。


 光とともに鍵の形をした剣がキィから現れる。

 俺は柄を手にして一気に引き抜く。

 キィは倒れこむがアリシアが受け止める。


「これは、力が……溢れるようだ!」

 俺は自分自身の感覚に驚く。


「鍵の女神の力は無限に近い、今こそ力を使うべきだジョウ!」

 師匠は叫ぶ。


 俺は両手で鍵の剣を振りかざす。

 そして村を取り囲む魔物どもに高速で目をやる。

 

「マスターキィソード、複数遠隔施錠マルチリモートロック!!」

 

 村を魔物どもが襲おうとしたまさにその時だった。


 剣から光が放たれ空高く上がったかと思うと、流星のように一万体の魔物に降り注ぐ。


 ――――その瞬間、一万体の魔物どもの動きは静止した。


 コビャックは

「何だ、何が起こった!手下ども!と叫ぶ」


 俺は叫ぶ。

「俺は奴らを止めるだけで精いっぱいだ!あとは頼む、みんな!」


「わかったわ! 私たちだってジョウ君が修行している間いたずらに過ごしていたわけではないわ、ちゃんと秘密の訓練してたんだから!」


 アリシア、ステラ、師匠の決死の反撃が始まった。


 アリシアは近づいてきていた魔物に剣を薙ぎ払う、斬撃が数十匹の魔物モンスターを切り裂いていく。


 ステラは火炎魔法を使い、大爆発を起こしていた。魔物が何百匹も焼かれていく。


 師匠は「隕石召喚メテオ・ストライク」と唱えると、隕石を召喚し一気に落とす。

 魔物の大半はこの攻撃で吹き飛んだ。


「ぬぅ、なんということだ。私の軍団がたかが5人のパーティに!」

 コビャックが怒りの表情でこちらを睨みつける。

 

「鍵の勇者、貴様のせいか!!」

 コビャックが叫びこちらにまっすぐに飛んでくる。


「いけない、マスター!」

 キィは近くで横になっていたがよろよろとかばうように俺の前に立った。


「デスウインドカッター!!」

 コビャックはこちらに向けて風の刃を放つ。


「キィ!!」

 俺はあせった。だがどうすることもできない。


 ――その瞬間だった。


 リミット師匠……大賢者シュリセルが間に入りキィと俺めがけた攻撃を受け止めたのだった。


 それを見たキィは叫ぶ。

「兄……様! シュリセルにぃさまっ!!」

・面白い!


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