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第23話 水浴

 そして、二週間あまりが過ぎた。

 俺は、修行の合間に近場の湖に来ていた。

 

「ふぅ、やっぱり師匠の修行はきついや……」


 透明で綺麗な湖の水を飲みつつ独り言を言う。

 

「でも、少しは強くなったのかな俺?」


 両手を握り感触を確かめる。 

 

 ――そのときだった。

「あんまりはしゃいだらダメよ、キィちゃん」

 声が聞こえてきた。

 バシャバシャと音がする。


 見ると目の前にある遠くの岩場のあたりから声は聞こえてきたようだ。

 

 ……この声は?


 そちらに目をやると岩の後ろからアリシアが出てきた。


 一糸まとわぬ姿だ。


 俺は思わず息を止める。

 長い金髪で隠れていたが豊満な胸の形と、絹のような白い肌が目に眩しい。


 どうやら俺に気づかず水浴びをしていたらしい。

 

 俺が目を離せずいると、アリシアはこちらに気づいたようだ。


「え、ジョウ君……?」

 

 一瞬、事態を呑み込めずいたが次の瞬間、大声を出す。


「きゃ――――――っ! ジョウ君のエッチ!!」

 手で胸を隠す。


「え、マスター?」

 ちょこんと岩陰からキィが顔を出す。

 

「なんや、出歯亀とは感心せんな~」

 後ろから裸のステラも出てくる、アリシアよりさらに豊満な胸を左手で隠しながらも、スタッフを持っていた。

 こんな時までスタッフを持っているなんて魔法使いの鑑だ、ってそんな場合じゃない。


「わ――――っ、わざとじゃない、わざとじゃない!」

 俺は慌てて言う。


 ステラが唱える

「ただで裸を見た罰や! ウォータースプラッシュ!!」


 とたんに湖から複数の水の渦がこちらに飛んできた。


「うわっ、複数遠隔施錠マルチリモートロック!!」

 俺はとっさに両手を前に出す。


 放たれた光が複数に分かれ水は空中で静止していた。


「できた。水にも複数遠隔施錠マルチリモートロックが……」


「も――っ、すごいけど見てないで出てってよ!」

 アリシアが岩陰に隠れながら言う。


 思わずアリシアの白い肌に注意が行く。


 次の瞬間。

 集中が途切れた。


 バシャアアアアアアアッ!


 水を思いっきりかぶってしまった。

 びしょ濡れだ。


「わ、悪かった。わざとじゃない、わざとじゃないんだ!」

 そう言って、俺はあとずさりし、振り返って一目散に逃げだした。

 

 しかし、そう言いながらも俺は修行の成果が出てきたことに心躍らせるのだった。


 そのあと、アリシアやステラにこってり叱られたのは言うまでもない。

・面白い!


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