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第14話 王城にて

 王都に着き、俺達の馬車はまっすぐブレイブ王城を目指した。


「これは、アリシア様。ささ、どうぞ」

 王城の門の入り口では門番がいたが、アリシアの顔と要件を確認すると中へ通してくれた。


 王城はでかかった。

 アリシアの屋敷もでかいと思ったが、やはり王城となるとスケールが違う。


「おっきーい」

 キィが素直な感想を口に出した。

「はええええええっ、俺なんか入っていいのかな……」


「大丈夫よ。ジョウ君、キィちゃん、ついてきて」

 馬車を降りて城の中に入る。

 中は荘厳な作りになっており、支柱によって支えられた高い天井の下には彫刻や彫像が並んでいた。


 アリシアは奥へ奥へと進んでいく。


 ――そんな時だった。

「これは、これはアリシア様でありませんか」


 唐突に声をかけられ、アリシアは振り向いた。

「クリップ様……、お久しぶりです」


 そこにはいかにも貴族然とした男が立っていた。


「あいも変わらず、お美しいですな。ん、この者たちは……?」

 俺たちの方を見て顔色を変える。


「私の連れの人たちよ」

 アリシアは答える。


「ジョウ・ローレットと言います」

 俺は頭を下げる。

「キィだよ」

 キィも名乗った。 


「まさか、平民ですか。まだ冒険者の真似事のようなことをしているのですか!?」

 一応、正装に着替えてはいたが俺達の所作を見て平民だとわかったようだった。

 キィはまだキョロキョロと周りを見ている。


「私の大事な客人よ、開かずの扉の迷宮ダンジョンを共にクリアしたの」


「開かずの扉の迷宮ダンジョンを……しかし!!」

 クリップと呼ばれた男はこちらのほうを睨んできた。


 俺は顔を背ける。


「これから、彼らと王に会いに行くの。またあとで話しましょう」

 アリシアは意に介せず進んでいく。


「ぐぬぬぬっ!」

 クリップと呼ばれた男は憎しみの表情をありありと浮かべていつまでもこちらを、いや、俺のことを見ていた。


 王の間に通され、俺達は片膝をついて頭を下げて王の登場を待つ。

 キィも俺やアリシアにならって同じポーズをした。


 ――しばしの間があって、ブレイブ王が厳かに現れる。


「これはこれはアリシア、久しぶりじゃのう」


「陛下においてはご機嫌麗しゅう」


「堅苦しい挨拶は抜きじゃ、楽にするがよい」


「はっ!」

 アリシアが下げていた頭を上げる。 

 俺も改めて顔を上げ、王の顔を見る。

 キィも俺にならう。


 国王らしく威厳のある顔立ちと口ひげを備えた初老の男性だった。

 だが思ったより気さくな性格のようだ。

 

「このたびは、開かずの扉の迷宮ダンジョンを攻略したとか」


「はっ、この者達が封印とそれを破りし者でございます」

 アリシアが答える。


「そうか!この者たちが鍵の……。して、今日はどのような用で来たのじゃ?」


「禁書庫に入らせていただきたくお願いいたします」


「禁書庫か、ふむ。確かにあそこには鍵の謎についての文献もあるじゃろう、しかし……」


 王が髭を触りながら言う。


「禁書庫の鍵はだいぶ前に失われてしまっている。その方も知っておろう、あそこは今は開かずの間となっているのじゃ、……開けられるのは鍵の勇者ぐらいじゃろう」


「それならば、大丈夫です」

 そう言ってアリシアはこちらを見た。

・面白い!


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