15.スライム遊戯
「よくあの天使が許したな」
「ふふ、リーリオは僕の天使だからね。最後には僕の我が儘も受け入れてくれるのさ♪」
「……難儀な奴だな」
スライムに転生すると決めてからの事だ。
リーリオを説得し、転生してからのサポートをお願いした。
そうしたら「あの方は一緒に行かれないのですか?」と聞かれたもんだから、こうして誘いに戻ってきたというわけ。
「ねぇ、君も一緒にやらない? 転生ごっこ。中二っぽい君にピッタリなんじゃないかなぁと思うんだよね!」
「本当に転生するのだからごっこではないだろう」
「輪廻に入るわけじゃないから、ごっこだよ~」
輪廻に入っちゃったら、この姿に戻れなくなりそうだしね。
さすがにそれはリスクが高い。
「しかし俺もお前も居なくなるのは、さすがに不都合があると思うが……」
お? 即お断りじゃなかった。
ってことは、もうちょっと押せばイケそうだね。
「だーいじょうぶだって、リーリオがいるし!」
「あれはお前のだろうが」
「じゃあ君も作れば?」
「簡単には言うが……まぁ、考えておこう」
「考えておく」は転生するかじゃなくて、天使を作るかとか何に転生するかとか、そういうことに対してだろうな。
これは後で来るね! 勧誘成功だ!
「じゃあ後で合流できるようなら合流しようよ! 一緒に世界を旅するのも楽しそうじゃない?」
「……考えておく」
「オッケー、よろしくね♪」
よし、これで転生の準備は万端だね。
転生する方法?
そんなのは簡単だ。
僕がそう意思を込めれば、全てが実現する。
「じゃあここで一旦お別れだね、一ノ神。また向こうで会えることを願ってるよ」
「ああ。向こうではあまり変なことをするなよ、二ノ神」
「はって、こっちでもしたことないでしょ! 全くもう、人聞きが悪いなぁ……」
転生も変なことなんかじゃないでしょ?
よくあるお遊びだ。
神々の、遊び。
「それじゃ……またね!」




