瓦解する氷の塔
投稿が大変遅れてしまい申し訳ございません。
良ければ読んで下さいませ。
「なんだこれは!?」
ウルフが聞いてきた。
「グランドタイガーの死体だけど?」
ウルフは少し黙った後に言った。
「次からこの倒し方は辞めろよ?」
「うん、そうだねコレじゃあ技術も何も上がらないし、やらないよ」
冬夜はあっさりと敵の楽な倒し方を辞めると言った。
「ほぉ...もう、過去の冬夜じゃ無いんだな...良かったぜ」
「過去の?」
「いや、いいんだ忘れろ」
.........いや、忘れない、ウルフは僕の何かを知っている。それを教えてもらう為にもこう言うウルフの発言は逃せない。
「じゃあ次は俺を使ってみろ」
ウルフが自分を使うように言った。でも正直、僕は体を侵食された覚えがあるから乗り気ではない。
「大丈夫だ、侵食はされない、今は比較的精神が安定しているからな、この前は魔族に追い詰められていたから一瞬で侵食されただけだ」
察したようにウルフは言った。
でも、そんな事言われてもやっぱり少し怖いな...でも...
いずれはウルフと一緒に戦わないといけないんだよね...だったらここで使って見せないと...
「...使ってみるよ」
「じゃあ俺に魔力を注ぎ込むイメージで握れ」
すると、ウルフは自ら地面に深く突き刺さり、刀身が見えないくらい埋まっていた。
「...なんで埋まるんだい?」
「こっちの方が魔力を注ぎやすいだろ?それにイメージもつきやすいからいいんじゃねーか?」
まぁ、言われてみれば伝説の勇者が聖剣やらなんやらを引き抜くみたいでイメージはつくけど......深すぎるんだよウルフ...
冬夜はウルフが刀身すら見えないほど埋まっているのを再度見て思った。
「行くよ!」
冬夜は柄を握りそのまま自分の魔力を注ぎ込んだ。
冬夜の魔力が見る見るうちにウルフへと吸収されて行く。
「うぁぁぁぁぁぁ!!!」
「冬夜、あと少しだ...落ち着け...」
ウルフは落ち着いた声で冬夜に言ったが、冬夜はまだ苦しそうにしている。
冬夜ウルフの突き刺さった体を、最大限に力を出しながら引き抜いた。
「はぁはぁ...これは、キツイなぁ...」
「まぁキツイのは最初だけだから安心しろ」
「うん...それならいいけ...ど.........ウルフ?それは...」
冬夜はウルフを見て驚いたように聞いた。
ウルフの体は、黒いボディと真紅の刃先が特徴だったが、今はその面影すらない。
と言うか見えないと言った方がいいだろうか。
刀身全てが分厚い氷で覆われている。
「ちょいと魔力が多くて調整ミスっちまったぜ、わりーな冬夜...今日はこのまま使ってくれ」
え...このままで使えるのか?
「...わ、分かった」
「よし、なら俺を使ってこの森の木を100本、木屑状態に出来たら今日の授業は合格だ」
そっかさっき授業って言ってたな…学校でもだけど授業は投げ出したり諦めると不合格になって退学だったな...
そして、学校の魔法陣から召喚されるとあらかじめ召喚獣に学校のルールが知らされていたし...
こんな分厚い剣...と言えるのか分からない状態のウルフを使って木を木屑にするなんてちょっと難題だな...
でも、取り敢えず試してみよう...
「フッ!」ウルフを引き抜いた時は確かに持ち上がったのに今はぴくりとも動かない。
さっきは何が違ったんだ...さっきは...そうか、魔力を流し込むのか。
僕は魔力を注ぎ込みながらウルフを持ち上げた。
すると、持ち上がった、だけど...
「お、重い」
「なんだ?お前貧弱だな、少し持つので限界って顔してるぞ」
「も、もう無理だ」
冬夜はウルフを持ったまま振るうことすら叶わず重すぎるせいで地面へと叩きつけるように下ろした。
「はぁ...マジかよ」
「ちょっと重すぎやしないかな?ウルフこれは今の僕には無理じゃあないか?」
「いいのか?出来なければ退学だぞ?魔族を倒すんじゃなかったのか?」
ウルフは冬夜を挑発するかのように言った。
「むむむ...分かったよ...もう一回行くぞ!」
冬夜はさっきウルフを振るえなかったのがまるで嘘かのように素早くウルフを持ち上げるとさっき覚えたばかりの「クイック」を使いズバズバと音を立てながら木をなぎ倒して行く。
「おぉ〜100本切り倒したな」
ウルフが少し驚きながら言った。
「でも、これ全部粉々にするなんて君を使って出来るとは思えないんだけどね...」
「そこはあれだ、気合いだ!」
気合いか...やるしかないね...「クイック!」
冬夜はまた動き出し、今度は何やらなぎ倒した木にヒビを入れているそして、ヒビの入った木100本全てをアイスゲートを使い、天に届きそうなほど木を縦に重ねて行った。
冬夜は木が落ちてこないように木の繋ぎ目、全てを「氷の枷」で固定した。
ウルフは冬夜がしようとしている事を黙って見ていた。
「よし、コレで完成だ」
冬夜は縦に100本重ねた木の塔をを見てそう言った。
木の塔はアイスゲートを通したため凍っており更に脆くなっている、これも冬夜の計算の内だ。
「じゃあ、ウルフ行くよ!」
そう言うと冬夜は木の塔の天辺に下向きのアイスゲートを開き自分の横にも開いた。
「クイック!」
この時の冬夜は「ジェットバット」ではなく一度試して後悔した「光」を掴むイメージで唱えた。
そして、そのままウルフを構えながら猪突猛進にゲートへと突っ込んだ。
ゲートから出ると最初に目に入ったものはよく分からないまま、天から地獄に落ちる勢いで落下する。
その勢いで木の塔にウルフを突き立て凍った塔を砕いてゆく。
音速を超えているため地面に着くまでは一瞬...
「おい、冬夜このままだと、地面にぶつかって死ぬぞ...」
冬夜...君はここで終わってしまうのかな...
なんて、そんな簡単には死なせませんw
すみません最近投稿が遅れ気味です、私も勉強やらバイトやらで忙しくって言い訳はこの辺で、質問等あったらコメントよろしくお願いします。




