可哀想な魔物
食事しながらお読みになるのはお勧めしません。
(描写が下手なので大丈夫かもですが...)
僕はウルフを追いかけ、近くの魔獣の森まで来た。
だけど、ここは...
「ねぇウルフ?ここ、村一の冒険者でも近づこうとしないくらい魔物が急に大量発生する森だよ?」
「そうか、じゃあ好都合だな」
はぁ...大体何をさせるつもりかは分かった...が、ここの魔物は強すぎてきっと僕は死...いや、24愚者とやらを倒すまでは死なないと決めたんだったな...
「じぁあ冬夜、まず1人でモンスターを倒してここまで死体を持ってこい」
やっぱりか...
「でも、まだ今の力じゃ倒せないと思うんだけど」
「出来ないと決めつけるその姿勢、俺は嫌いだぜ。今のお前が使える魔法内でも10秒で、いや、5秒で倒せるはずだ。まぁ、特別に鋼の短剣と無属性魔法クイックの使い方だけ教えてやる」
この前も言っていたな…無属性魔法...でもそれと短剣で果たして倒せるのだろうか?と言うか、氷魔法以外使えるのだろうか...
「分かったよ...」
「よし、じゃあ目を瞑れ、そして自分の1番早いと思うものを考えろ」
僕は目を瞑り、光速の光を思い浮かべた。
「そしたら最後にそれを掴む自分を想像しクイックと唱えろ」
光を掴むなんて...やるしかないよね...
何回も思い浮かべ、光をやっと掴めた、「クイック!」
言った瞬間僕は前方にあった木にぶつかり、そのまま木をなぎ倒した。一瞬の出来事でよく分からなかった...
「冬夜...何を考えた?」
「光...」
頭から血を流しながら僕は答えた。
「俺の言い方が悪かったな、俺が防御癖を出してなかったら死んでたな。次は自分が、その速度になりたい物を掴め...と言うか光なんてよく掴めたな...」
こんな事で死にそうだったとは...
僕はもう一度今度はジェットバットと言う最速100キロを超える魔物を想像し、掴んだ、「クイック!」
すると、少し早く動けた。
「冬夜、今度は何を掴んだ?」
「ジェットバットだけど」
「なら、100キロのスピードでも動けるぞ、要するに考えた物の出せる早さを出せるんだ。さっきは光だったから一定の速度だったが、生き物なら違う。まぁ、そのままこの森の魔物を何でもいいから1番最初に目に付いた奴を狩ってこい!」
僕はそのままウルフに渡された鋼の短剣を持ちクイックで移動し、不安を抱えながらも魔物を探した。でも、こんな事で怖気付くくらいなら魔族なんて倒せないよな…
考えながら移動すると、目の前にはいつの間にか魔物の気配があり、見てみると...森の主とも言われる体調5メートル程の大型の魔物...グランドタイガーの炎属性がいた、僕も運が悪いな...1番最初に目に付いた奴だし、倒すしかないよな...
僕は少し考えたが、何も思い付かなかった。
取り敢えず攻撃するしか無い。
「氷の枷」
グランドタイガーの動きが一瞬止まったが、すぐに魔法が破られた。
すると、グランドタイガーは警戒を始めた。
次は慎重に責めないとな…一撃で仕留めたいけど、そんな魔法無いしな...そんな時アリーべと戦った時、光のビームを加速させた事を思い出した。
「アイスゲート」
グランドタイガーの真下にゲートを開いたが警戒しているため直ぐに避けられた。
なら...僕が今出せるアイスゲートの数は4つ、ならゲートで囲ってしまえばこちらの物だ。
「アイスゲート!」
一斉に4つのアイスゲートを開く、すると流石のグランドタイガーもそれからは逃れられず、抵抗不能状態だ。
ゲートから出るタイガーの速度はさらに素早くなって行き、タイガーの体もそろそろ速度に耐えられなくなってきたことだろう。
僕はその時、ゲートの隙間から鋼の短剣を投げ込んだ。
すると見る見るうちにタイガーの体は削られて行き、段々と肉片へと形状を変化させて行った。ゲート内ではタイガーから出た血液やら内蔵やらが、飛び交っており真紅に染まる夜の魔物となった。
僕はそのままゲートをゆっくり移動させながらウルフの元に戻った。
「戻ったよ」
「おう、狩った魔物はどうした?」
「ちょっと待ってね」
僕はウルフの前にゲートを持って行き、「氷創世」で、地面に氷で出来た巨大な四角い箱を作り、4方向に展開されているゲートの上部にあるゲートだけを残し他のゲートを閉じた。
すると、グランドタイガーのカラダと思われる物と、鋼の短剣が箱に出てきた。
その時には既にグランドタイガーのカラダはペースト状の真っ赤な絵の具の様な物へと変わり果てていた...
今回は冬夜がちょっとサイコパスっぽかったですね。
このままサイコパスにならないで欲しいですがどうなるんでしょうか。
次回は今日か明日出します。




