早起き
「はー疲れた...」
「あれくらいでへばってるくらいじゃ俺には勝てねーぞ」
ウルフは久しぶりの戦いの楽しさからか興奮した様に言った。
「そんなこと言っても僕はまだ18歳で戦闘経験全くなしなんだよ?ウルフ?」
18歳で長時間 召喚獣と戦い続けると言うのはこの世界ではあまり無いことで冬夜はそれを戦闘経験が無いにも関わらず行ったのだ。
「まぁいい、今日はゆっくり休んで明日に備えろ横からガリアがそう言ってくる」
「うん、分かった」
翌朝
「冬夜、起きろ...冬夜!起きろ朝だ!」
冬夜は朝に弱いのか一向に起きようとしない様子だ。
「しょうがねぇな…おら!!!」
「うぐっ!?...痛いじゃないか...ウルフ...」
冬夜の腹部に見事なかかと落としが的中していた。
「お前が起きないからだ...」
「いや、だってまだ朝の5時だよ?」
学校が始まるのは8時なのにもう少し寝かせてくれよと言いたげな顔の冬夜にウルフが言った。
「まぁそうだが、早起きは三文の徳とか言うだろ?」
「そ、そうだけど...遅れそうでも無いのにかかと落としは酷いんじゃないかな?」
先程のかかと落としが効いたのか冬夜が未だに苦しそうに言う。
「あぁ悪かったな...あとな、クリスタが来てるぞ」
「え、こんな朝早くに?それを早く言ってよ」
かかと落としとクリスタが来たという事が合わさり目をパッチリと開いた冬夜が聞いた。
「なんとも、お前と学校に行きたいらしいぜ」
「そ、そうなんだ、彼女は朝早いのかな...ははは」
少しにやけながらも冬夜は急いで支度をし、外に出た。
外に出るとクリスタが冬夜を待っていた。
「あ、冬夜くんおはよう」
「うん、おはよう」
軽く朝の挨拶を交わす。
クリスタには昨日冬夜が自分の家を教えておいたため知っていた。
「おはよ〜」
と、何処からか綺麗な声がする。
「この声はリーフかい?」
「うん僕だよ〜今起きたんだ〜」
リーフが起きたよ〜と朝の挨拶をしただけのようだった。
「リーフ?」
クリスタは何処からともなく聞こえてくるその綺麗な声に興味津々の様子だ。
「あ、クリスタはまだ知らなかったね。リーフ出てきてくれるかい?」
「うんいいよ〜」
そう言うと冬夜の心臓部分から小さな体がひょいっと顔を出した。
「この子がリーフさん?」
「うん、僕と旅をしたいって言ったから連れてきた風の精霊さ」
クリスタはへぇーと言ってリーフをずっと見つめていた。
しばらく見ると...
「この子綺麗だねー」
「うん、確かに綺麗だね」
冬夜はクリスタも十分負けてないよと思ったが同調して言った。
「いや〜照れるなぁ〜」
頭の後ろを擦りながら照れている。
「おい、お前ら学校行くんじゃねーのか?」
しばらく屋敷の前で話している冬夜達にウルフが言った。
「あ、そうだね」
そう言って皆で学校へ向かった。
学校へ向かう途中...
「そう言えばガリアは元の姿に戻ったのにウルフは元に戻らないのかい?」
冬夜がまだ│仮擬人化を解いてないウルフを見て言う。
「なんと言うか、この体も久しぶりだからな...もう少しこのままでいるつもりだ」
「えーウルフさんそのままの方がカッコイイのに...」
クリスタは相当ウルフの人の姿が、気に入ったのかこのままがいいらしい。
「あーまぁ俺も一応冬夜の│召喚獣《武器》だしな」
そう言うとクリスタはそっかーと言って諦めたを
「あ、そう言えばウルフ足の氷が砕けたから元に戻った時どうのこうのって言ってたけど結局元に戻るとどうなるの?」
思い出したようにウルフに聞く。
「あーそれか、まぁマジックファイトフェスでのお楽しみだ...」
そんな話をしていた間に
「お、到着したぞ」
「うん、でもこんな早く来てもする事ないしな...」
「それならさ、ちょっと遊ぼうよ」
遊び?この学校に遊ぶような物なんてあったのか。
興味を引かれた冬夜はクリスタに聞いた。
「何をするんだい?」
「それはね、着いてからのお楽しみだよ」
まぁこんな時間だしすることも無いからついて行ってみよう。
そうして冬夜はクリスタについて行くとこの前仮面の男が居た地下室に来ていた。
「ここって仮面の...」
「そうだよーあの仮面の男の人の所だよ」
やっぱり...
「こんな所に暇つぶしになる様な物なんてあるのかい?」
「うん、仮面の人はね、以外と遊び好きなのか、面白い装置を作ってるんだよ」
仮面の人って...もしかしてクリスタも名前を知らないのだろうか。
「そうなんだ...所であの人の名前って...」
「知らないよ?って言うか教えてくれないんだよ
ね」
教えてくれない?なにか理由でもあるのだろうか...
「まぁ名前はいいからさ、入ろ」
そう言ってクリスタはドアを開け中に入って行った。
一体何があるのやら...
良ければポイントなど付けてくれると嬉しいです。




