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結晶英雄  作者: 彩秘 雨蛍
第1章 前世と復讐劇の始まり
21/24

まるで拷問

遅くなって本当に申し訳ないです。


冬夜達はコンビネーションを合わせ、試合に勝つため、練習をしにダンジョンの外に出てきた。


「でも、コンビネーションを合わせるなんて相手がいた方が良かったんじゃないかな?」


冬夜が聞いた。


「そこは俺に任せろ」


ウルフが言った。


「あぁ、俺も相手なら出来るぜ小僧」


「二人ともその姿で戦えるのかい?」


冬夜は手袋とマント、それに、浮く剣と戦うなんていう現実的でないバトルを想像していた。


「なにもこのままって訳じゃあない...お前らの学校で行っている擬人化に少し近ずける...」


「│仮擬人化ライトオーバーフォルム


そう言うとウルフの体が見る見るうちに形を変え、人の姿となる。


「この人ウルフさん?」


クリスタが聞く。


「うん多分ウルフだと思うよ」


まぁウルフ意外だったら逆に怖いけどね...


「あぁ、俺だ」


やはりウルフだった。だが、両足が離れた状態で氷ついていた。


これを見て冬夜はウルフは足が刀身なんだと冷静に分析していた。


「いやぁでも、この姿久しぶりだぜ、何十年ぶりだったか?」


「ウルフさん、その、足が氷っていますけど戦えるんですか?」


クリスタも、足が氷っているのに目をとめ、軽い疑問を抱いたようだ。


「これか?まぁ動きずらいがハンデって事で大丈夫だ」


ほとんど動けそうも無い足なのにウルフは大丈夫らしい。


ウルフの容姿は黒髪で緑の目をした美少年、名前の通りか、頭からは狼らしき獣耳の様なものがある。服は│えり付きの黒いコートを着ていた。


「じゃあ次は俺だな」


ガリアがそう言ってウルフに続き「│仮擬人化ライトオーバーフォルム」を使った。


すると、今度は黄色い髪をしたクールな男が出てきた。


白いワイシャツに黒のズボンを履いている。

足が長いのが特徴的だ。


「この姿何百年ぶりだろうか...グランドタイガーの体よりよっぽど動きやすいのは確かだが...」


「二人ともカッコイイです!」


クリスタが目を輝かせ言った。


「あぁ、ありがとう...まぁそんな事は置いておいて、コンビネーションを組むんだろ?」


ウルフが自分の姿は何でもいいから早くやるぞと言いたげな目をして言ってきた。


「そうだね。じゃあ取り敢えず一回戦って見ようか...」


ガリアは仮にも天災クラスの魔物だ、ウルフは未だに僕も分からないけど、ガリアがウルフは強いって言っていたしな...

仮に二人が手加減をしても僕達が勝てるか...


「小僧、不安そうだな。大丈夫だ、殺しはしない」


殺しは...か...半殺しならするって言ってるようなものに聞こえるけど...


「う、うん」


そんな感じでバトルをする事になってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「冬夜くんは前衛?」


「うん、僕は一応前衛だよ」


そう言うとクリスタがあちゃーっと言う顔をして...


「実は僕も前衛なんだ...」


なんて言った。


冬夜とクリスタのチームは前衛だけのゴリ押しチームということらしい。


正直、後方援護が居ないとキツイかもしれない...


「じゃあ僕が援護に回るよ」


クリスタが言った、が...


「いや、お前ら二人とも前衛でやれ」


ウルフがそう言うと、ガリアも後ろでうんうんと頷き同調していた。


「でも...」


「でももすともない、やれって言ったんだ。分かったな?」


ウルフの言うことに僕もクリスタも逆らえなく、チーム二人して前衛をする事となった。


「じゃあ始めよう...どっからでもかかってこい」


ウルフがそう言うと地面に足をガッチリとつける。

すると、森の木々が静まり返り、風が心地よく吹く...先程までは木の影で薄暗かったこの場所に、まるで決戦を控える四人を│天日てんぴがスポットライトの様に照らす。


その少し緊張した雰囲気の中、冬夜とクリスタが足を踏み出し、左右反対に扇形を描きウルフへと走り出す。


この時、二人の息はぴったり合っているように見えた。


「ソード・オブ・キングダム」


冬夜が走りながら剣を生成する。


反対側ではクリスタが腰に掛けていた剣をシュキンと引きゆく音が聞こえる。


冬夜はアサシンのバトルドレスなのになんで長剣なんだろうか...と、少し疑問を抱いていた。


だが、クリスタの抜いたその剣は白銀に輝き、見るもの全てを魅了するかのような美しさを誇る剣だった。

それを見たウルフは目を大きく開き何か小さな声で言ったが、冬夜には聞こえない。


「あれは...冬......ま...か.....に」


二人がウルフに迫ると...


「│鉄化アイアンボディ


すると、途端にウルフの両腕が濁った銀色に光る。鉄になったのだ。


「アイスブレード」


「トライングソード」


冬夜とクリスタが同時に魔法を唱えた。


右からは冬夜が巨大になった氷の剣を振り下ろす。

左からはクリスタが金色に光り出した剣でウルフに襲い掛かる。


冬夜とクリスタがウルフに剣を振り下ろした瞬間...ガキン!っと静謐な森の中に鉄と鉄がぶつかる音が響き渡る。


ウルフが鉄になった手で左右の剣撃を受け止めた。


「遅い...」


ウルフがそう言うと、一瞬の間に冬夜とクリスタの剣を掴み、二人を遠くへ投げ飛ばした。


だが、二人は即座に立ち上がった。


「おい、小僧俺を忘れるなよ」


冬夜がウルフに集中しきっていると、いつの間にか後ろにいたガリアに殴り飛ばされる。


「グハッ...」


危機一髪で冬夜はガリアの殴りを氷の刀で受け止めた。だが、氷の刀は切れ味は良いとはいえどそれほど頑丈ではない...刀は砕けた。


「そうだった...君も元はこの森で一番強い魔物だ、油断は出来ないね」


腹部を殴られ、まだ苦しそうに冬夜がそう言った。


「一瞬の油断は世界を滅ぼす事もある...常に視野を広げろ、そして風を体で感じ、敵の動きを読め」


ガリアが冬夜を見て言った。


冬夜は頷いた。


「フローズンアーマー」


「クイック」


氷の鎧を纏いクイックでそのままガリアへと突き進む。


「エネマジールオン」


これは停止したコンタクトを動かす言葉だ。ウルフから聞いていた通りちゃんと動くな。


これなら相手の動きで風の動きが変わり、どのように仕掛けてくるかも分かる。


「行くよガリア!」


「あぁお手並み拝見だ...ちゃんと相棒と連携を取れば完全状態じゃない俺たちなんぞ直ぐに倒せる...」


さっきは僕もクリスタもウルフに簡単に剣撃を止められちゃったけどなぁ...と、冬夜は思っていた。

「アイスグランド」


「│氷のアイスニードル


早速冬夜が魔法を唱える。


今までの茨と違い直径1メートルほどの茨が地面から何本も湧き出る。


「ほう、一体何をするつもりだろうな...」


ガリアが茨に気を取られている間に冬夜は刀で斬り掛かる。


「キーン」と高い鉄の音が鳴る。


いつの間にかガリアも剣を持っており冬夜の攻撃を片手剣で軽々と防いだ。


「やっぱ無理だね...じゃあ...」


と言うと冬夜が新たにもう1つの刀を作り出した。


「ほう、二刀流と来たか」


「力で押せないならスピードで行くよ...」


すると冬夜の猛連撃が始まるがガリアはそれをものともせず、冬夜を吹っ飛ばす。


「クリスタ、ウルフは放置でいいからこっちを先に倒そう!」



「え、でも...」


と、ウルフと対面しているクリスタがオタオタとして言うが...


「ウルフは足が氷っているしあまり動けないからガリアを先に倒す方が効率的だ」


冬夜の言葉を聞き確かに今は連携をとってガリアを倒した方がいいと思ったクリスタは加勢をしに冬夜の方へ行く。


二人は走り出すとそれぞれに剣と刀を構えウルフの時と同様にガリアを挟み撃ちにする。


「ギンっ!」と剣の音が重なった。


またも二人の攻撃は弾かれたが...


「だよね...だから...」


剣を弾かれ1歩引いた冬夜が手を上に上げる。


上空には氷の茨が絡まり合い芸術とも言える大きな剣を作り上げていた。


「│茨棘・氷凍剣ニードルバスターソード


そして、同時にクリスタも...


「2回も同じ攻撃は僕だってしないよ」


と言うと...クリスタの後方から暗い闇と雪の白が混ざった光線が飛んでいく。


「ホワイトダーク」


「ほう、闇魔法と氷魔法の混合光線に茨の大剣か…だが、今回は息がピッタリすぎて仇となったな…」


冬夜の大剣がガリア目掛け空中からものすごいスピードで振り下ろされる。


一方クリスタの光線はガリアの体をしっかりと捉え、ガリアは逃れることは出来ないだろう.....


「バギィィン!」と氷の砕ける音がする。


ガリアの言った息がピッタリすぎると言うのは二人の攻撃がぶつかり合い消滅する事を見越しての発言だった。


「まぁいいだろう、今の攻撃が両方とも当たっていれば俺も戦える状況じゃ無かった。今回は俺の負けということで後はウルフに任せよう...」


ガリアがウルフを見てそう言った。


「ちゃんと打ち合わせをしていれば良かったね」


クリスタが言う。


「そうだね、まぁ今回は練習だから次から頑張ろうか」



「おい、お前ら来ないのか?じゃあ俺から行くがいいか?」


ウルフがそう言うが、冬夜はウルフの足を見て動けるのだろうか?と、思っているとウルフが察したのか


「まぁ動けるっちゃ動けるが別に近接戦闘とは言ってないぞ?」


冬夜は元の姿が剣であったウルフは近接戦闘しかしないと思い込んでいたらしい。


「冬夜君、僕は後衛をするよ」


期待に満ちた表情で言った。


「うん、じゃあお願いするよ」


そう言ってクリスタ後衛、冬夜前衛となった。


「じゃあ行くぞ!」


「ナイトサンダー」ウルフが走ってくる冬夜へと手の平を向け闇に染まる紫色の雷を幾つも放つ。


冬夜はそれをクイックを使い避けるがかすってしまった。


「な...なんだこれ...かすった所から...」


冬夜は闇の雷が足に当たってしまい、傷口からは黒い液体が出てきて漆黒の個体となる。


「冬夜、それは術者しか皮膚から取ることは出来ないぞ、諦めるか?」


ウルフが言うと、冬夜は首を横に振り無言で漆黒の個体を刀で皮膚から両断する。


「う、うぅ...がっ...」必死に痛みを堪え、またウルフに攻撃を仕掛けようと走り出す。


「冬夜、お前ってやつは...」


ウルフは呆れて言った。だが、関心もしていた。


これは、根性から来るものか、それとも魔族への執念から負けられないと言う意思が湧き出てくるのか...ま、冬夜に強い意思がある事は分かったな...


ウルフがそんな事を考えていると目の前まで冬夜が来ていた。


近接戦になっちまったか...


ウルフは近接戦は氷った足ではあまりしたくなかったようだ...


「ダークマター」

ウルフの両手に2個の漆黒の塊が現れ、剣の形へと変わる。


「じゃあ僕も」


「ソード・オブ・キングダム」


冬夜も二刀流になる。


「クイック」


冬夜が走り、ウルフに攻撃をする。


「クロスブレード!」


刀を交差し、切りつけるがウルフの片手には盾があり防がれる。


「んなっ?なんで盾が...」


一瞬前まで二刀流だったウルフが盾を持っている事に驚く。


「冬夜くん!その│漆黒の塊《黒いの》変形するみたい」


後ろでクリスタが言った。


「そういう事か...じゃあ」「フリーズ!」


冬夜が漆黒の塊を凍らせる。


これなら...


「交差切断!」刀を持ち手と反対方向に切りつける


だが、凍結は一瞬で解かれ、ウルフはまたも漆黒の盾で防ぐが、クリスタの後衛援助でウルフに「フリーズシュート」が命中する。


氷の塊を直に顔面に受けたウルフはビクともしないが一瞬目を逸らす。


それをチャンスと思い冬夜は二刀流で猛連撃を繰り出す。

クイックでスピードアップされたその連撃は常人の目では捉えることは出来ないだろう。


「うぉっ!?」


ウルフはその攻撃に驚き少し驚きながら氷った足を仰け反らせる。


そして、次は交互にダメージを与えるようにクリスタが後ろから氷の槍を何本も飛ばす。


だが、その攻撃はウルフの変形した盾に防がれた。


ウルフが防ぐ間にまた冬夜が攻撃を仕掛ける。


これは案外コンビネーションが組めていると思ったウルフは...


「ほう、まぁまぁやるな、このままなら俺も押され倒されるかもな...だがそれじゃあつまんねぇ」


ウルフは完全に楽しんでいる様で自分が戦う楽しさも欲しくなったらしい...


「俺も少しだけ力を出すか...」


「「え...!?」」 クリスタと冬夜が声を揃えた。


「何を驚く、俺は攻撃をほとんどしていないぞ」


...確かに、ウルフから攻撃はほとんど受けていない...ただ、僕の攻撃やクリスタの攻撃が防がれていたから凄すぎて攻撃されていると錯覚していただけだ...これは、難関だな...


「行くぞ!」 「シャドーブラインド」ウルフがそう言って無茶苦茶に剣を振り回すと一振事に影の斬撃が冬夜へと無数に飛んで行く。



「うわっ!...これは...痛く...無い?」


闇の斬撃が当たっても痛くないと冬夜が驚く。


「あぁ、刃を無くしているからな」


そんな事も出来るんだ...と、冬夜が思っていると...


「ライトアロー」 「ファイアボール」 「リーフシュレッター」


クリスタが後方からどんどんと援護をするが...


「シャドーブラインド」


全てウルフの夜魔法に飲み込まれてしまう。


「うーん、やっぱウルフさんは夜魔法の召喚獣だから光魔法がいいかな」


そう言うと、クリスタが詠唱を始めた。


「一つの闇一つの光が対立する時 全てを飲み込みし闇を凌駕する光の水よここにあれ」「サンライト・オーシャン」


クリスタが詠唱を終えると森一帯が光の水に侵食され始めた。


「またも大魔法か...冬夜といい、クリスタといい全くよく分からん所で大魔法を使いやがる...ならこちらも...と、思ったがもう遅いか...」


ウルフがそう言うと光の水に飲まれ、そこへ、冬夜がトドメを刺しに行く...


「行くよ、ウルフ」 「一刀両断」


冬夜が躊躇い無く斬りに行くと、ウルフはそれを真っ向から反撃する...だが...


「変わり身の術...」


冬夜は一瞬にしてウルフの後ろへと移動する。

不思議と冬夜のいる場所には光の水が無くなっている。


きっとクリスタが僕の来る場所を予想して光の水をどかしてくれたんだ。


「│水面衝撃波ウォータークエイク


刀を振動させ、その振動を水を斬る事により、衝撃波を生み出し、ウルフを戦闘不能にした。


すると、クリスタの魔法が解け、水が一瞬にして無くなる。


「冬夜、これなら明日のマジックファイトフェスいい所まで行けるかもな」


よろよろと、よろめきながらこちらへ向かって歩いているウルフが言った。


すると...


「う、ウルフ!足が...」


冬夜がウルフの足を見ながら声を上げる。


「ん?...な!?」


ウルフも自分の足を見て驚き、少し落ち着いてから言った。


「さっき冬夜が放った衝撃波で砕けたようだ、俺の擬人化が解けたらお前は驚くだろうな」


擬人化したウルフとガリアを見ただけでも驚いたのに次は何があるのだろうか...


「じゃ、そんなに力も出せなかったし取り敢えずもう一戦やろうか...次は本気で行くぜ」



ウルフのその言葉に冬夜は出す言葉も無くなった...


クリスタもあまり乗り気では無かったが、その後何回もウルフと戦った。


ガリアは眠いと言って手袋とマントに姿を変え眠った。


クリスタと冬夜はガリアがいなくて少しだけほっとしたのはつかの間、その後何回戦ってもウルフに手も足も出ず、完敗...どうやらウルフは一回戦目で楽しんでしまい、その勢いでもっと戦いたくなったらしい...


この日、冬夜とクリスタが帰ったのは夜の12時過ぎだった...


読んで下さりありがとうございます。

こんなひどい出来の文章を投稿してしまい申し訳ないです。

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