ゲートは禁止
特に面白くない回になってしまいました。
投稿頻度が少なくなってしまい申し訳ございません。
「アイスゲート」
冬夜は地面にぶつかる寸前にゲートを開き、そのままゲートを通り空中に向かって開いたゲートから出る、それを勢いが止まるまで復誦した。
冬夜が地面にやっと足を付けると木の塔は崩れきっていた。
「ウルフ、コレで合格かな」
「うむ、少し荒い木くずだが、まぁ合格だ。だが、冬夜お前は俺がいいって言うまでアイスゲートを使うのは禁止だ」
「え、どうしてだい」
冬夜は何故だと言うふうにウルフに疑問の目を向ける。
「使いすぎだ、これじゃあお前が成長期しない、お前の授業をする召喚獣として言っているからな、絶対に使うなよ」
ちょっと過剰に使いすぎたのはまずかったかな...でも、強くなるためには仕方ないな。
「じゃ、冬夜 帰るぞ」
「うん...」
冬夜は、普通に帰ろうとしたが訓練と言うことで氷を纏って50キロほどの重さになったウルフを担ぎながら帰ることになったのだった。
ウルフと冬夜が屋敷に着くと時間は既に午前の4時を過ぎていた。
この時、冬夜はいきなり睡魔に襲われ部屋の床で眠ってしまっていた。
「おい、冬夜起きろ!学校だ、さっさと起きろ!」
まるで、母親のようにウルフは冬夜を起こしていた。
一向に起きようとしない。
「むぐっ」
一瞬カエルが潰れたような音がした、だがこれは冬夜の声だ。
「やっと起きたか、お前、寝起き悪すぎて困るぜ」
「や、やぁおはようウルフちょっとどいてくれるかな」
冬夜の腹の上にはウルフが乗っかっており、今にも冬夜の体は潰れそうになっていた。
「おぉそうだった、わりぃわりぃ」
時計を見ると午前の6時半、冬夜が寝てから2時間と30分だ。
これでは寝起きが悪いのもしょうが無いだろう。
「学校は8時からだぞ?」
「おう、知ってるとも、だから起こしたんだ」
僕の屋敷から学校までは30分も掛からないし、それに支度だって10分で終わる。
起こすにしても7時くらいでよかった気がするけどなぁ...
「まぁ、起こしてくれてありがとうウルフ」
一応起こしてくれたことへのお礼を言っておく。
僕は準備を済ませ、少し早いが学校へ向かうことにした。
屋敷にを出るとウルフは...夜魔法なのかよく分からないが、何かの魔法を使って透明になって空中に浮きながら着いてきた。
だけど僕には何故かウルフが、見えなくてもそこに居る事は分かった。これは召喚獣と召喚した僕の何かの繋がりなのだろう。
「ところで、ウルフその、君を覆っている氷はいつ取れるんだい?」
「あぁこれな、まだ分からんがお前の力で取る以外出来ないな、だが、今のお前だと少し削るくらいしか出来ないだろう」
「そうなんだ...」
もっと力を強めないとな...
「あ、そうだ、冬夜これやる!」
そう言うとウルフは氷で覆われた体をゆらりと振るって空中を切り裂くと、何かが出てきた。
パッと見真っ黒だがよく見ると細かい紫色の魔法陣のような物が幾つも書いてある手袋とマントが出てきた。
「これは?」
「それはな、昨日お前が切り刻み過ぎて液体化した魔物を合成して作ったウェポンだ」
ウェポンとは多くの効果が魔物から抽出された液体や魔法で強くした装備のことだ。
「くれるのかい?」
「あぁやる、だがな、それ...他のものと少し違うから気おつけろよ...」
「何をだい?」
「いゃあな、液体になってたから抽出しやすくてな...ちと、強力なもんが出来ちまった…まぁ簡単に言うとそいつ、自我を持ちやがった」
「そ、そりゃ凄いね...」
なんと、ウェポンに自我が宿るなんて...ありえない...
僕もそんなもの渡されても使えるか...
「まぁ付けとけ…」
ここは、せっかく貰ったしYESと答えるしかないよなぁ...
「分かった」
2人で話しているうちに学校に着いた。
1週間ぶりに来たのか...あまり感覚が無いけど...
でも、まだ1回も授業を受けてないし...いや、さっきまで森で受けてたのか...
取り敢えず中に入ろうか。
中に入るとまだ7時なのに人が大勢居た。
「ねぇ魔族を倒したって本当?」
綺麗な可愛らしい女の子の声が後ろからした。
振り返って返答をする。
「あれは、僕って言うか僕の体と召喚獣の意思だけどね…」
僕に話しかけてきたのは清楚で綺麗な白のミディアム程の髪をしており、目は紅に染まっているが、燃え上がるような紅では無く、氷った炎の様な、静けさのある紅だ。
「皆は嘘だって言うけど僕は信じるよ」
「う、うん、ありがとう」
やっぱ皆そんなの信じなだろうな...まぁ僕自信が倒した訳でもないし、信じられない方が変に強いだとか思われなくて済むからいいけど。
「ところで、何でこんなに人が居るんだい?まだ7時なのに」
「あれ?そっか、君1週間休んでたんだもんね」
「実は今日から入学直後だから皆の力を測るってのも兼ねて、学校全体でマジックファイトフェスをやるんだよ、簡単に言うと1人から3人でチームを作って戦って勝ち抜くトーナメント戦をするって事」
「面白そうじゃねーか、よぉ冬夜、出よーぜ」
学校に着いてから姿を出したウルフが言った。
「うん、出よう」
...でも1人から3人か、僕は1人で出るしかなさそうなだな...
入学式も出れてないし、その後も召喚獣を召喚する日以降学校に来てないから知り合いが居ない。
「ところで、その...いきなりであれだけど...僕と一緒にチームを組んでくれませんか....」
「本当かい、良かった、僕友達とかまだ居ないから一人で出る事になるかと思ってたよ」
一人で戦わなくて済んだ...良かった、やっぱり一人だと倒せないことも無いと思うけど魔力の減少も多くなるしな...
「おい、冬夜、俺の危険感知スキルと感情読み取り能力の脳内パラメータが危ない雰囲気出してるぜ」
「ウルフそれ、どう言う...」
その時...「パシーン」と乾いた音が響いた。
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