中学校卒業
息抜き中~
不定期で1000字~2000字ぐらいで書いてます
気長にお待ちください。
実家には1ヶ月に1回帰っている。
父ちゃんからは、高校に行ってマッサージ関係の資格を取って25歳までに帰ってくれば、特に言う事はないって。
爺ちゃんとひい爺ちゃんは、高校も資格もいらんから早く戻って来て欲しいって言ってたけど、まだ友達とも遊びたいし、実は気になる子も出来た。
俺の親衛隊とかでもなく、ファンクラブとかにも入っていない白い杖をついた女の子だ。
最初、全く見えないんだと思ってたけどロービションって言って少しだけ見えるみたいだ。
俺と廊下ですれ違いそうになると必ず横に避ける子だ。
なぜかわからないけど、俺とすれ違う時だけ距離をおこうとする。
嫌われてるのかとも思ってけど、見えてないはずだから勘がいい子なのかな?
まるで彼女も見えてないけど、俺の存在を感じているようだった。
でも1度だけ俺は杖もつかないで歩いてる所を見た事がある。
夜に達也と一緒にコンビニに行った時に確かに一人で普通に歩いていた。帽子を被ってはいたけど色白で綺麗な長い髪を背中の真ん中ぐらいまで伸ばし……それに俺は彼女が近くにいると何故かわかる気がする。
なぜか無性に[手当て]を彼女にしたくなるんだよな。
なんでだろう?目を治したいって思ってるのかな、俺?
そんな彼女も同じ高校に通うみたいなので、高校に行ったら声を掛けてみるつもりでいた。
中学校の卒業式も終わり、後輩や親衛隊やファンクラブの女の子達に囲まれて大変だったけど、何とか抜け出し達也と本屋に来ていた。
俺は特に興味がある本もなかったので、店の前に停めた自転車の横にいた。
すると、白い杖をついた彼女が自分の方に向かって歩いて来ていた。
やっぱり見えにくいらしく、ゆっくり前に出した杖で確認しながらだ。
だけど、俺の5㍍ぐらいの距離まで来ると急に立ち止まった。
そして俺を見るように顔をあげて
「そこにいるんですか?神手さんですか?」
「え?見えてるの?」
「やっぱり神手さんですね?」
「え?あぁ、そうだけど、何でわかったの?」
「聞いてないんですね?」
「え?何を?」
「私からは教えてあげられませんから、お父様かお母様に聞いてください。」
「え?だから何を?」
「私が言える事は、絶対私に[手当て]をしないでください。後絶対触らないでください。いいですね?」
「え?なんで知ってる……の?」
俺は唖然としたまま、彼女が通りすぎるのを黙って見ていた。
またまた読みました?