3話
魔法陣の影響だろうか、総士達は体に倦怠感を覚えながら、ゆっくりと目を開けた。
そうすると声が出ることに気づいた。
隣の女達も気づいたのだろう。
だが、声をあげはしなかった。
何故なら目の前に豚のようなヤツがいたからだ。
その周りにはいろいろな人がいるが豚がインパクトでかすぎて俺たちはそいつに目線を集めた。
この豚は混乱する女達をも黙らしてしまうある意味凄いことだ。
多分この豚が俺たちを召喚したやつだろう。
まぁ正確にはこの女達だが。
と、思っていたところ、この豚がしゃべりだした。
「今回は、こちら側の無責任な召喚に応じてもらいありがとうごさいます。私たちの国は今、魔物達に領地を侵略しつつあり、大変危険な状況でございます。貴方方勇者には、この元凶である魔王を倒してもらいます。拒否権はありません。その為のサポートは惜しみません。
伝説どうりなら、貴方方は、何か特殊な能力があるはずです。見せたくないのなら、それでも構いませんが、自分に合わない武器を使って死んでしまっても、こちらはなんの責任もおいません。
少しでも頭が回るなら答えはわかりますよね?」
この豚は、顔に似ず、流暢なことばで、選択肢のまるでない、言葉を総士達にかけていた。
女達は、この状況を理解し近くにいる鑑定士に自分を鑑定してもらっていた。
神が放った魔法には精神が安定するような効果があったのだろう。
総士も女達の後に鑑定をしてもらうこになった。
「おお!伝説どうりです!この女達はとても素晴らしい能力をもっています!
さすがです!王よ!貴方の召喚のおかげです!この国の未来も安定ですな!」
そういって鑑定士は、鑑定結果を王に差し出した。
総士はそれをこっそり見た。
名前 : 芳佳由乃
種族 : 人間
年齢 : 16
職業 : 聖女
【スキル】
光魔法 SS
回復魔法 SS
【称号】
* 聖女 *
全ての光魔法、回復魔法に効果二倍
呪いなどのバッドステータスの耐性100%
名前 : 藍原薫
種族 : 人間
年齢 : 16
職業 : 剣聖
【スキル】
双剣術 SS
体術 SS
【称号】
* 剣聖 *
剣を扱う時腕力敏捷力三倍
呪いなどのバッドステータスの耐性100%
「お、お、素晴らしいです。今の状態でも我が軍の騎士と対抗できるのですね!」
と、豚こと王は興奮した様子で鑑定士に話しかけ、鑑定士はそうです!さすが王です!を繰り返していた。
「で、では次の方も早く鑑定しなさい!」
「ぎょ、御意」
総士は鑑定士の近くに行き、鑑定をしてもらった。
その鑑定士は、明らかに総士を蔑み罵倒した。
「なんだね、このステータスはあの2人と比べるとゴミではないか!」
「ん、これは本当に低いですね。利用価値が全くと言っていいほどありませんね。」
名前 :工藤総士
種族 : 人間
年齢 : 20
職業 : なし《死神》
【スキル】
なし 《死への連鎖》《不死》
【称号】
なし
*《死神》*
《死を伴う戦闘時自分に致命傷になりうる攻撃が来た場合任意で他の相手に移すことができる。》
(なるほど、多分《》がついてるものは他のものには見えないのか。死神というのは、まぁ分かる気もする。俺は、数多多数の人の命をうばってきたのだから。)
総士はそう思い王に話しかけた。
「王様。」
「はい。なんでしょう?」
王は冷めた目を向け総士にそう言った。
「俺はここを出ようと思っております。俺がいても役立たずにしかならないでしょう。邪魔者にしかならないでしょう。なので、今すぐにここを出たいと思います。勝手なこととは重々承知していますが、いずれ死ぬようなものに訓練しても意味がないと思います。」
「ああ、そうですね。呼んだのはこちらのほうです。すこしの金を与えますから、明日には出て行く ってくださいね。あと、この国で生活ができるとは思いにならないように。」
そう王はいい、1人の大臣に金を取りに行かせ、総士へと渡した。
「ありがとうございます。はい。直ぐにでも出で行きます。」
そう、総士はいって王宮をでていったのであった。