2話
総士は受け取ったVRとソフトを持ち説明書を読んでいた。
「あ?なんだこれ、えーと、これをこうして、おぉ出来た出来た。てか、パソコンとかが必要なら説明書に書いとけよ、なんのための説明書だよ。」
総士はそう言いながらVR機器を接続し、頭に装着した。
五分ぐらいのロード期間のあと、総士は、注意事項を読み、その世界へと飛び立った。
書いてあった注意事項はこんな感じだ。
ーー注意事項ーー
あなたが今から旅立つ世界は所謂剣と魔法の世界です。この世界で貴方は、一生過ごすことになります。その覚悟が出来たなら、スタートと声を出し、この物語を進めてください。
ーー注意事項ーー
簡単な注意事項だった。
要はこのVRの世界に囚われるということだろう。
総士は、ここが俺の死ねる場所ならばと期待し、スタートの言葉を呟いた。
ある1人の男が退屈そうに一つの部屋でまっていた。
この部屋では新たに送られてきた異世界人を新たなる世界に送る仕事をする部屋だ。
「はぁー、今回の召喚は3人送られてくるという話だったか。まだ来ねーのか?クソだるいこの仕事をやるのは、まぁ俺らの使命だから、仕方ないものの、俺は一応神だぞ。はぁー、だりぃー早く来いよー」
その自称神はため息をたくさんつきながら3人の異世界人をまっていた。
と、その時、その部屋に幾何学の魔法陣が浮かび上がった。
「おー、きたかきたか、さっさと終わらして送るぞー」
そこから出てきた異世界人の反応は様々だった。
ある程度の事情は説明されたのだろうが、理解が追いついていないようだ。
1人の女は狂乱し、なんで!どうして!など疑問の声を撒き散らしていた。
1人の女は急に泣き出し、お母さんお母さんと、泣きながら声がかすれながら言っていた。
だか、もう1人の男はただ静かに佇み自称神を見つめていた。
(あの男……瞳の奥が黒すぎる。まぁいっかなんかあったんだろう)
「あー、お前ら、混乱する気持ちはわかるが
取り敢えず俺の言葉を聞け。」
その声を聞いた瞬間2人の女は急に静かになった。
何かの魔法をつかったのだろうか。
「よし、静かになったな。俺は神だ。今からお前らを新たなる世界アグアラドに送る。
これは実験の一貫だ。選ばれたお前らはまぁドンマイとしか言えないが、向こうの世界で有利になるスキルをつけといてやる。多分送られるとこは王宮で最初の頃は不自由なく過ごせると思うが魔王とか倒す羽目になるが頑張れ。じゃあ、賢く生きろ。」
自称神がそう言った瞬間その3人はアグアラドに送られていった。
「はぁー、終わった終わった。あの男は気になるがまぁ、いーや。こっからは俺の管轄でないしな。」
ーーーー総士sideーーーー
時は、王宮に送られる寸前に遡る。
総士は一つの疑問を抱いていた。
俺は巻き込まれたのではないかということだ。
あのメールでは、VR世界に送ると言っていた。
そうなると俺以外は基本的にNPCのはずだ。
もしかしたら、この女達は明らかにNPCには見えない。万が一俺と同じプレイヤーだとしても、始まった瞬間に魔法を打ってくるだろうか。否ないだろう。
まぁ、そうだとするなら、俺が死ねる確率が上がるからいいのだが。
まぁ、それにしても、いきなりありきたりな展開だな。この自称神は有利になるスキルをくれると言っていたから直ぐ何かなるということはないだろう。
俺は神の作った魔法陣に身を任せながら、次の事態に気を備えた。