第1章
初投稿です。
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『受動的または能動的あらゆる手段をもってしても、死ぬことは許されない。』
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「くそがっ!なぜ、こんなにも弱いんだ?ここでなら、ここでなら死ぬことが出来るというのに!!」
男がそう叫んだ場所は酷く暗く寂しくまるで、死の世界にいるような洞窟であった。
「あぁ、なぜ、神は俺にこの様な権能を
授けたんだ!」
俺は、自殺志願者だ。
だが、あの呪いがあるかぎり、俺は死ぬことができないだろう。
今から1時間前、俺は一縷の望みをかけ、最高難易度のダンジョンへと、足を運んだ。
だか、どいつもこいつも、俺を殺すことができない。
俺自身強い訳ではない。防御力や、攻撃力だってあの2人と比べたら、天と地の差があるだろう。
俺は、このクソッタレな人生を出発点である、あの日、2年前、俺が擬似的に死ぬことが出来るだろう、世界初のVRソフトを買い装着した日を思い出していた。
ピピピピ!
携帯の音がなる。
自殺志願者のサイトの会員登録か、自殺の手伝いのメールだろうと俺は携帯をみる。
俺は、大手自殺志願者のサイトの管理者だからだ。
「……?」
なんだこれは?
その携帯のメールには予想した内容とかけ離れた、俺しか知らない事実が書かれていた。
『総士様。
この『地球』は生命の輪廻によって、回っているのはご存知ですよね?
ですが、貴方様は死ぬことができない。
これは私達イノセントにとって嘆かわしい事実であります。
私達は、あと一週間後に世界初のVRMMOを全世界に向けて売ります。
貴方様は死ぬことができないでしょう。
しかし、私達の作るゲームは自分の体で操作しほぼ現実と変わらないリアルな世界を作ることに成功致しました。
特に生と死には拘って作りました。
どうでしょう?
その世界は苦痛もプレイヤー自身が決めれるのです。
もし、興味がおありでしたら、メールをください。
イノセント』
なぜ?なぜ?
俺には理解が出来なかった。
なぜ、こいつらが俺の特性のろいのことを知っているのだろうと。
だか、理解は出来なかったが、この内容には興味が唆られる。
仮令
この『イノセント』というモノが俺を人体実験に
使おうとして、このメールを送ったなら、それは、それで良いのだと思う。
俺のことを知っている。その情報力があるってことは、何かしら俺を殺す手段をもっているかもしれないと期待したからだ。
俺は少し時間をかけてそう考えた後、様々な想いを込めそのメールに返信した。
一週間後
ピーンポーン
玄関の前につけているカメラを見ると、いつも来る宅急便の女がいた。
俺は出ないどこうか。と思ったが、そうすれば、宅急便の女にも、小言を言われるだろうし、そして、少し期待している、ゲームソフトを受け取らないと思い玄関の窓を開けた。
「ちょっと!遅いじゃない!この私が来てあげたんだから1秒で来なさいよね!」
そう、宅急便の女は、総士が出て来たことと、会えたことに嬉しく思い、少し自分の顔が赤くなるのを恥ずかしく思い素直になれず、想いとは裏腹に正反対の言葉を言ってしまい、後悔していた。
(もー!私のバカバカ!ちょっと素直になるのがなんでできないの!………でもやっぱり総士くんかっこいいなぁ〜、想い伝えられるといいなぁ〜)
この宅急便の女は、俺が俺の人生で初めて命を救った相手だ。
俺は大手自殺志願者のサイト管理者だか、人よりも
"死"というものには、特別な想いを抱いている。
俺は、死ぬこと自殺させてあげることに、命をかけている。それと同時に規約を自分自身にしている。
この女は自殺志願者の会員でもなんでもない。
だか、この女は俺が俺自身に課している規約に全て反し、命を張って守った相手だ。
「あぁ、悪い、いつもありがとな。」
「〜〜っ!ふ、ふん!どういたしまして!」その女はそっぽを向きつつもチラチラと総士を見つつ、話題を持って来た荷物に変えた。
「てか、この荷物結構でかいわね、何が入ってるの?」
「あー、VRのやつだ」
「VR?あんたそんなの好きだったけ?」
(え?おかしいおかしい!私が毎日ストーキングと張り込みを繰り返しているのにその情報を手に入れるのが遅れるなんて!)
この女はやばいやつである。
「いや、たまたま、友達から貰うことになってな。」
「な、成る程ね!」
「じゃあ、ありがとな。またなんかあったら、よろしく。」
「ふんっ!感謝しなさいよね!」
その宅急便の女は、上機嫌になりスキップで荷物を運んで来た車へと向かった。
時は総士がメールを送るぐらいまで遡る
ある、地下で2人の男が話していた。
「総長、あの男、工藤総士が「うむ。わかっておる。」さ、さすがです!」
「ワシらが、作ったあのゲームソフトをすぐさま彼奴の家に送れ。」
総長と呼ばれた男が威厳を保ったまま1人の部下にそう指示した。
「はっ!」
その掛け声とともに、その地下には総長ただ1人となり、その顔は悲しいような嬉しいような怒っているような顔をしており、ぽつりと一言呟いた。
「あぁ、総士よ。ワシはこれでお前を救えたのだろうか?お前にしてあげれるのがこれだけなのだろうか………?」