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俺の……  ブラウド様目線

ブラウド様目線です‼

 学園の創立記念パーティーに呼ばれて出る気になったのは彼女がこの学園に通っているから。

 何故いつも彼女は俺の気持ちを軽くするのだろう?

 創立記念パーティーで兄上に挨拶をしている彼女を見た時、本当に美しいと思った。

 漆黒のマーメイド。

 誰もが見とれる美しさである。

 例に漏れず、俺も彼女に見とれた。

 そこに現れたジェイス。

 彼女の口から彼女が10歳の時に行われた婚約式での言葉。

 そして、ジェイスは彼女に殴られて吹っ飛んだ。

 彼女の兄が支えていたけど、あれはかなり痛いだろう。

 後で湿布薬をやらなければ。

 


 彼女の口から吐き出される言葉は何時も人のためだ。

 今回だってラブラさんのためでしかない。

 いささか男前すぎて周りには引かれがちだが、俺からしてみればなんて強い想いなんだろうって憧れてしまう。

 自分が幸せにすると強い意思があふれでている。

 ラブラさんが羨ましい。

 彼女に強く想われているラブラさんが羨ましい。

 そんな時だった。

 ジェイスが俺を国王にした方が良いと言ったのは……

 王位継承権………

 欲しいと小さいときは思っていた。

 呪われた王族の俺は王族じゃ無いと言われてるみたいで、王位継承権があれば認めて認められるような気がしていた。

 だが、彼女に会ってからは王族にこだわる必要性を感じなかった。

 彼女が居ればいい。

 彼女と薬学の話が出来る事が、俺の生活の全てだ。

 だから、王位継承権なんて必要性も見いだせない。

 いや、彼女が王妃になるなら………俺が国王になれば………



 だが、彼女は俺の存在の価値をちゃんと理解して居てくれた。

 俺が国王になったら出る弊害。

 彼女はやっぱり自分以外の事ばかり考えている。

 彼女らしい。



 俺は自分のほの暗い気持ちを押さえる気さえなかった。

 彼女が欲しい。

 誰にも渡したくない。

 俺のものにしたい。

 ジェイスがラブラさんを選ぶなら俺は彼女を手に入れたい。

 欲望が膨れ上がるのが解った。

 彼女の言葉でラブラさんは難なく公爵家の人間になることになり、ジェイスとの婚約も拒否出来るような状態では無くなった。

 完全なる彼女の勝利だ。



 だが、それどころではなくなった。

 彼女が国外追放?隣国に政略結婚?

 駄目だ!彼女は俺のものだ!

 俺は兄上の元に急いだ。



 彼女は罰せられる事を望んでいる。

 俺は彼女が欲しいんだ。


「兄上、ならば……自分に彼女を下さい」


欲望が先に口をついて出た。


「自分は呪われている。だから、嫁を貰いたくとも誰も自分の嫁には来たがらない。そんな自分の嫁になるのは罰になるんじゃ無いでしょうか?」


 言い訳を瞬時に考えて、はじめて自分が呪われていると言われ続けてきた事に感謝した。

 宰相閣下の今にも魔王にクラスチェンジしそうな黒いオーラに兄上は完全にびびっている。

 俺の提案に兄上は飛び付いた。

 彼女が俺のものになった。

 彼女は納得出来ていないようだが、俺は混乱している彼女に宜しくと言った。

 彼女にしては珍しく歯切れの悪い『……こちらこそ?』なんて言葉も、今の俺には嬉しくて仕方がなかった。





 数日後、彼女が俺を訪ねてきた。


「………ブラウド様、私との婚約など冗談ですよね?」

「冗談なんかじゃ無いですよ」

「ですが、ブラウド様は素晴らしい男性です。私みたいな罪人なんかよりも素敵な女性が…」

「居ませんよ。ナル以上の女性は俺には存在しません」


 彼女の顔がほんのり赤く染まった。

 何なんだその可愛い顔は?

 

「で、でも、ブラウド様」

「自分は随分前から不治の病にかかっていましてね」


 彼女は一気に真っ青になり俺に泣きそうな瞳をむける。


「それは死にいたる病気なのですか?」

「時と場合によるかな?」

「そんな……」

「医者も逃げ出す病気らしいです」

「私が、私が必ず治して見せます!」


 俺は彼女に近より彼女を抱き締めた。

 彼女の体に力が入る。


「すみません。この病は治らないし、治す気もないんです」

「嫌です!絶対治します」


 彼女はウルウルした瞳で俺を見上げた。


「ナル、貴女が好きです」


 俺の言葉に彼女はとうとう泣き出してしまった。

 そんなに俺に好かれるのは嫌なのか?


「ブラウド様、好きです。大好きなの。死なないでください」


 彼女は俺の胸にしがみついて泣いた。

 罪悪感がつのる。


「ごめん。死んだりしない。ナルが俺を好きなら死なない」

「………俺?」

「俺の病気は只の恋だ。ナルが側に居てくれるなら動悸と息切れぐらいなものだ。安心してくれ」


 驚いた顔の彼女の顔が一気に真っ赤に染まった。


「な、何それ!私、馬鹿みたい!」

「可愛いけど?」

「ふ、フギャー」


 彼女が変な奇声をあげるからついつい笑ってしまったのは許して欲しい。

 彼女が頬を膨らませて俺の胸に弱々しく手をついて突っ張った。

 俺は彼女を逃がさないように手に力を込めた。

 その時、部屋のドアがノックの音と同時に開いた。

 入ってきたのは父上だった。


「ブラウド?変な声が聞こえ………手が早すぎじゃないか?」

「父上、邪魔しないでくれますか?」

「………お嬢ちゃん、嫌だったらぶん殴って良いから、頑張れ!」


 腕の中の彼女は更に真っ赤になり叫んだ。


「殴れるならしてます!助けてくださいガルド様~‼」


 父上の笑い声が響くのを聞きながら彼女が意識を手放したのはすぐだった。

 次の日宰相家の、男性三人に説教されたのは言うまでもない。


ブラウド様が暴走気味です。

溜め込んだ好きが大爆発です。

皆幸せ計画実施中!

次は誰にしよう?

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