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告白 ラブラ目線

皆様すみません。

 私が階段から落ちて一週間がたった。

 怪我も治って元気一杯!

 ゲームではカーディナルのせいだったけど、この世界のナルはそんなことするわけがない。

 実際、私が階段から落ちて保健室に行ってる間にナルが怒ってくれたらしくてあの事件以来嫌がらせはなくなった。

 そんな平和な日常の中、私宛に手紙が届いた。

 内容は『放課後裏庭のバラ園で待っている。  ジェイス』

 罠だろうか?

 でも、本人だったら?

 私は放課後裏庭に行くことにした。




 

 放課後のバラ園に居たのはやはりジェイスだった。


「どうしたのジェイス?」


 ジェイスは真面目な顔で私に近づき言った。


「ラブラ………怪我はもう大丈夫なのか?」

「うん!ジェイス?どうしたの?」


 ジェイスは私の手をつかむと引っ張った。

 ジェイスに抱き締められていると気がついたのは暫くしてからだった。


 「ラブラ、俺はお前が好きだ。勿論、友人としてじゃない」


 な、何がおこっているんだろ?

 ジェイスは王子で私は平民………ゲームだとカーディナルが私をいじめて、それを断罪してカーディナルの父親が娘の罪を償うために私を養女に迎えるって展開だったけど私はナルと仲良しだ!

 私が平民なのはかわらない………


「ジェイス………駄目だよ。私は貴族じゃないんだよ」

「俺が聞きたいのは、ラブラが俺をどう思っているのか?だ!」


 私がジェイスの事………


「好きに決まってるじゃん」

「そ、そうか……」


 ジェイスは安心したように息をついた。

 そしてニカッと私の好きな笑顔を作った。

 ゲームの中のジェイスはしない顔。


「でも、好きだけじゃジェイスとは一緒になれないよ」

「いや、俺が王子じゃなくなれば良い」

「はぁ?」


 ジェイスは苦笑いを浮かべた。


「俺は平民になろうと思う」


 ジェイスは何を言ってるんだろう?そんなの無理でしょ?

 

「ジェイス」

「俺はハッキリ言って国王の器じゃない。国王なら叔父上の方が良いに決まってる。叔父上は本当に素晴らしい人なんだ!黒髪黒目が何だって言うんだ!国民のためを思うなら叔父上ほどうってつけの人材など居ない………それに、カーディナルが王妃になるって言うのもふまえれば叔父上が国王になった方が誰もが幸せだろ?」


 実際、ナル以外に王妃になれる器の人なんて居ない…

 なら、ジェイスが王子を辞めたら本当に皆幸せになれるんじゃ?


「………ラブラ、俺に地位や名誉が無くなっても側に居てくれるか?」


 不安そうな顔のジェイスが可愛いけど、私がジェイスの地位や名誉が目的だと思われているのは面白くない。


「馬鹿!私が好きなのはジェイスであって王子じゃないよ!だから王子じゃなくなったからって嫌いになるわけないじゃん!」


 ジェイスは困ったように笑った。


「お前を好きになって良かった」

「こんな良い女他に居ない………ナル以外居ないでしょ?」

「俺からしたら、ラブラ以上の女なんて居ないがな」


 ジェイスはまたニカッと笑った。

 悪戯が成功したような顔。

 たぶん私の顔は真っ赤だと思う。

 ジェイスは本当に嬉しそうに笑った。

 そんな中、私はナルがブラウド様と幸せになれる未来を妄想して一人でニヤニヤしてしまったのはジェイスにも内緒だ!


ラブラちゃんには幸せになってほしい‼


あっ…今日5月19日………私、誕生日じゃん………

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