別荘
スランプです((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
別荘に行く日、朝からお父様とお兄様がバタバタしていた。
「お兄様どうしたんですの?」
「カーナ、悪いが今日一緒に別荘に行く事が出来なくなった。昔一緒に遊んだことがあるエールリアを覚えているかい?彼女の家で何かあったらしい………」
エールリアとはお父様の友達の伯爵様の娘で、私と色違いのような赤い瞳と濃い緑色の髪の毛の穏やかな令嬢で歌うのが好きなのを覚えている。
「エルが心配だ。僕も父上に付いて行ってくるよ」
「お兄様?もしかしてエールリアの事が好きなの?」
「………言って無かったかい?」
マジか‼
「なら、早くエールリアの所に行ってお兄様が支えてあげなくては!急いで急いで‼」
私はお兄様の背中を押して準備を急がせた。
お兄様が不参加になった。
別荘に向かったのは私にヤード、姫様に王子にラブラちゃん………そしてブラウド様だ。
「自分まですみません。実はナルの別荘のある地域には霧を発生させる魔草があるんですよ!それを採集したいと思っていたので助かりました」
「そう言えば霧が多く見られますね」
別荘につくとブラウド様とそんなことを話した。
「姉様、僕はヤツを探しに行ってきます」
カエルの事です。
「私もヤードに付いてくわ!お姉様良いでしょ?」
「気を付けてね。ヤード、ココル姫はヤードが守ってね」
「………姉様がそう言うなら………ココル、行くぞ」
ヤードはココル姫の手を掴み歩きだした。
ラブラブだ。
何だかんだでヤードはココル姫が好きだと思う。
「ナル~‼海行こ‼」
ラブラちゃんが何故かビキニを私に突き付けてそう言った。
「ラブラちゃん………私は前々から思っているのですわ。この世界では膝上のスカートがはしたないと言われているのにビキニははしたなくないのか!だってそうじゃなくて?女性の下着であるコルセットより面積の少ない布に何の価値があるのか‼」
「溺れない」
「うっ………」
私は言葉を失った。
水着………昔から嫌なんだよね~‼
「泳げないの?」
「………泳げます」
「じゃあなんで?」
「………布が心もとない」
「嫌みか?」
「違いますわ‼」
私はラブラちゃんに抱きついた。
「ラブラ、カーディナルは叔父上とデートだから構うな。行くぞ!」
王子の言葉に思わずキョトンとしてしまった。
「そっか、じゃあブラウド様!ナルをよろしくね‼」
私はラブラちゃんに押されてバランスを崩しそうになり、ブラウド様に支えられてしまった。
「ジェイス?」
「叔父上は、カーディナルと植物採集ですよね?俺とラブラはアホみたいに海ではしゃいで来ますから叔父上はカーディナルと楽しんできて下さい。」
「………ジェイスがそれで良いなら………」
あの二人何かたくらんでますね。
まあ、ビキニ着なくて良いなら何でも許すけど‼
王子とラブラちゃんは海の方に行ってしまった。
私とブラウド様は唖然としながら二人を見送った。
「………じゃあ、ナル行きましょう」
「………はい」
ブラウド様は私に少し困ったように笑いかけると手をさしだし、私は少し戸惑いながらもその手を掴んだのだった。
お兄様に好きな人が………




