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ダンスパーティー

寒いですね。

ダンスパーティーの日。

ナイトブルーのマーメイドラインのドレスにゴールドの小ぶりのアクセサリーには小さなルビーがついていて可愛い。

ラブラちゃんは注文通りのパールイエローのプリンセスラインのドレスでキュートだ。


「…………ナルってばナイスバディーだよね………私にそのおっぱいちょっと分けてよ」

「………ラブラちゃんのチッパイも可愛いですよ!」

「嫌味か?」

「違うよ‼私はチッパイ派だよ!」

「嫌味だろ‼」


ラブラちゃんに思いっきり正面から胸を鷲掴みにされた。


「でか!」


私は慌ててその手を掴むと胸から引き剥がした。


「掴んじゃ駄目!」


ラブラちゃんは口を尖らせて不満そうだった。


「こら!庶民‼誰の許可をえてカーディナルの胸を揉んでるんだ‼」

「王子のじゃないのに、許可いる?」


額に青筋を立てた王子をチラリと見るとラブラちゃんは掴んでいた手を振り払い私に抱きついた。

しかも、何故か胸にスリスリされた。


「キサマ!羨ましいぞ‼」

「ナル、胸柔らか!羨ましいぞ‼」


ラブラちゃんはさらに私の胸にスリスリしてくる。


「ラブラちゃん、くすぐったい‼」


散々スリスリして気がすんだのか、漸くラブラちゃんが離れてくれた時には私は何か大事な物を失ったような気がしてしまったのは気のせいだろうか?


「カーディナル!庶民ばかりずるいぞ!」

「何を期待しているのかは知りたくも無いですが、近寄らないで下さい」


王子を厳しく睨み付けると王子はシュンとしてしまった。


「………近寄らないでは、言い過ぎました。今日は王子にエスコートしていただかなければいけませんものね」

「そ、そうだぞ‼」


少しだけ気分を浮上させた王子がニコッと笑った。

そんな王子の後ろから顔を出したのはお兄様だった。


「ラブラさんは僕がエスコートしますよ」

「あ、ありがとうございます」


こうして私とラブラちゃんはお兄様と王子にエスコートされてダンスパーティーに向かったのだった。





会場は学園の中にある大きなホール。

貴族は誰かしらにエスコートされ、庶民の皆さんは数人のグループでかたまって来るのが主流だ。


「私なんかがバーテミック様にエスコートされてたら苛められそう」

「ラブラちゃん!胸をはってください‼ラブラちゃんが可愛いのは誰でも見れば解る事ですのよ!お兄様がエスコートしたくなってしまうのは自然な事です」

「いやいや、ナル?現実見ようよ。結構無理あるよ」


ラブラちゃんがちょっとグッタリしています。


「ラブラさんは面白いな。面白いからエスコートしたって言えば良いんじゃないかな?」

「バーテミック様………それも、無理がある気がします」


ラブラちゃんは可愛い。

可愛いは正義‼

じゃ駄目なのか?


「大丈夫ですわ。私がついてます」

「それが一番心強い」

「王子……私……ラブラちゃんをエスコートしたいですわ」


真横に居る王子が呆れたように言った。


「お前が庶民女をエスコートしたら、俺がバーテミックと腕組んで会場入りする事に成るだろうが」

「お兄様が可哀想ですわ」

「俺もな………」


王子が凹んでいるのを見るのが少し好きだと思ってしまったのは内緒だ。



ホールではすでにダンスを始めている人が居る。

私達が入ってきたのを見ている人もかなり居る。


「何でなんですの!」


突然の声にかなりビックリした。

見れば侯爵家の御令嬢が私達の方に歩いて来るのが見えた。

彼女はショッキングピンクの髪の毛を縦ロールにしている金色の瞳の女性だ。


「バーテミック様!私のエスコートを断っておいて、こんな庶民のエスコートをするなんて信じられませんわ‼」


ラブラちゃんが小さく、やっぱりこうなったって呟いていました。


「悪いね。僕がエスコートしたいと思ったのはラブラさんだから。」

「何ですって‼」


凄い剣幕の彼女にお兄様はニッコリ笑って言った。


「僕はヒステリックな女が苦手なんだ。悪いね。」


お兄様、本音が出ていますよ。


「宰相様の息子だからって何でも言って良いわけがないのが解らないんですの?」


私は彼女に笑顔を向けた。


「侯爵家の人間だからと言って我が儘がまかり通ると思ってらっしゃいますの?王子殿下すら間違いがあれば謝罪をしますのに………ね、殿下」

「カーディナルが、殿下って言うの初めて聞いた。」

「ちゃんと私の話聞いてました?アホの次はポンコツですか?」

「………ポンコツは酷すぎないか?」

「じゃあ、ポンコツじゃないところを私に見せてください」


可愛く見えるように笑って見せると王子はため息をついた。


「………学園内では身分は関係ない。今日はそれを解りやすくするためのダンスパーティーだ。貴族だからとか庶民だとか関係ない、だからバーテミックが庶民をエスコートしている。解ったら下がれ」


王子がそう言うと侯爵令嬢は悔しそうな顔をして去っていった。


「王子」

「なんだ?」

「今のは格好良かったですわ 」

「………そうか?」


王子は嬉しそうにニコニコ笑った。

チョロいぞ王子。

私も取り合えず王子に笑顔を向けた。


「カーディナル。婚約しよう」

「ごめんこうむりますわ!」

「………」


王子は深くため息をついていた。


「いつになったら婚約してくれるんだ?」

「何時ですかね~」


王子はさらに深くため息を吐いたのだった。


長くなりそうだったので切ります。

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