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第十三地区  作者: こみたかずとも
第一章
2/4

私がこの世界を異世界だと判断したのには理由がある。




まずは世界の地区について



この世界では大きく13地区に別れている。



富裕層の第1地区から始まり数字が大きくなるにつれ、貧民層になるらしい。


らしいと言うのはこれが周りから聞いただけの話しだからだ。


私は特に加も無く不可もないこの第6地区から、産まれてから一度も出たことが無い。


この世界では18歳で成人になるまで、他の地区に行く事を許可されていないからだ。


更に下位の者は、自分の地区より上の地区に行ってはならない決まりがある。



元より地区を移動する為の、国境ならぬ地区境を越えるために大金がかかるので、下位になるにつれ払えなくなる要因はあるのだが。



しかしある一定の職種や地位の者は、地区移動料金が免除される。




その一部が私の、ユウキの両親がやっている"商人"だ。




どの地区の商人も主に、自身の地区か、下位の地区にしか商売をしない。

上位の地区に行っても、自信の地区以上の特産物の物や食べ物が溢れているので、経営が成り立たないからだ。


けれど下位の地区に行く時には移動料金がかかる。

それでは経済が回らないので、この世界のトップが定めた法だそうだ。








「ああ、ユウキ。綺麗じゃないか、さすが俺の娘だら。」




今私が着ているのは成人の儀で着るはずだったきらびやかな衣装。


本来なら18歳になっても、成人の儀になるまでは未成年としてカウントされる。

そして晴れて、その年の全ての子供達が成人となるのだ。


しかし、"商人"は違う。


地区境を無償で通れる代わりに、誕生日の日から二年間、成人の儀の代わりにある、選択の儀で決まった地区に修行として働きにでなければいけない。



それが商人人生で最初の等価交換だ。




夜になると荷造りをととのえ、各地区にある議会会場に行く。


そこで自分でクジを引き、場所が発表され、そのままその地区まで移動だ。


以降二年間は帰ってこれない。





「貴女なら大丈夫よ、ユウキ」


「そうだユウキ。父さんも母さんも選択の儀で決まった地区は互いに第八地区、そんなに悪くない場所だった。」


「第十三地区みたいな治安の悪い地区なんて、滅多に引くクジじゃない。」





そう言ってほがらかに笑った両親の顔は、その後の選択の儀で真っ青になった。







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