あれから
時の流れは早いもので、あの謎の扉を開けてしまってから3年が経過しました。
当時5歳だった私は、たとえ前世の記憶がある精神年齢約25歳の中身だけ大人だったにしても、まだ純粋無垢だったんだとおもいます。
そうあれは3年前、扉を開けた瞬間から私の計画は果てしなくズレました。正確にいえば、計画その1(勉強)・2(鍛練)・3(魔法)は達成した。
だがしかし、その4(目立たず)はある意味無理でした。
なぜならあの日、私はウチの家族の最大の秘密であり、どうしても教えてくれなかった、父と母の出会いである『あの事件』の真相を知ってしまったから。
~3年前のあの日、扉を開けてからのお話~
ガチャ「誰かいるの?」
扉の先には、沢山の服。しかも庶民の服からドレス、メイド服、燕尾服、鎧、執事服まで男女関係なくある。それからありとあらゆるカツラやメイク道具やマスク。
沢山のナイフ、銃、良くわかんない金属の道具や針金。
「凄いな……テレビのメイク室とか小道具部屋みたい。」
「触っちゃダメよ?」
「えっ⁈」
後ろにいたのはナイフを構えた母さんだった。
「えっ?ハッ⁈ちょっ‼」
「そんなに慌てなくていいのよー。泥棒とかスパイかと思って警戒しちゃったわ。もう、ビックリさせないでよー。」
「その言葉、全てそのまま返すよ。てか、ナイフ構えないで‼」
「あら?忘れてたわ。」
母さんがいそいそとナイフをしまうのを見て、疑問をぶつけた。
「母さん、この部屋はなんなの?」




