計画破綻
さっそく計画に問題が起きた。
父さんが「クロードにはまだ早いから、もうちょっと大きくなったらな?」とか言って修行つけてくれなかった。
兄さんも「顔に傷でもついたらどうするんだ⁉」とか「クロードは僕が守ってあげるから」とか言ってる。女子かっつーの、このブラコン兄貴が…。
母さんから教わった究極奥義『ウルウル上目遣い、パパとお兄たんにおねだり』もダメだった。2人とも激しくゆれうごきそうになってたけど。
ふてくされた私は、「2人ともキライ‼」と言い残し、走り去った。確実に大ダメージをあたえたことだろう。
家に戻って母さんに愚痴ろう。もしかしたら母さんから魔法とか教えてもらえるかもしれないし。
「ただいまー‼」
いつも帰ってくる返事が何故かなかった。台所やリビングを探してもいない。寝てるのかも?と思った私は、寝室に行った。
「おかあさーん?」と呼んでみるが、寝室には誰もいなかった。でもかすかにクローゼットのほうから物音が聞こえる。
泥棒とかじゃないよね…?
心配になった私は、そっとクローゼットの扉を開け、中を覗く。そこには誰もいないが、服や荷物に埋もれた扉があった。
こんな扉見たことない。私は好奇心が勝って扉を開けてしまった。