不思議の国の・・・
そろそろ失礼の無いように退室して姿をくらましたいものだ。
家に帰るなら痕跡を消して母さんに何らかの形で失敗を知らせなければならないし、
潜入を続行するならいろいろと準備があるのだ。
というわけで、そろそろお暇しよう。
私「王子様・・・私の無礼を許していただき感謝いたします。これ以上失礼の無いよう私は舞踏会の準備に戻らせていただきます。」
王子「許した覚えはないが?」
私「え”?」
王子「だから、知り合いに似ているというだけで許した覚えはない。」
う、うそーん?さっき戻りかけた王子の好感度がまたなくなった。
ひねくれすぎだろう、性悪、ケチ、許してくれたっていいじゃんか。
王子「そうだな・・・罰として、またここに来ること。俺の話し相手になれ。ちゃんと来たら身元も調べないしクビにもしない。どうする?」
私「それって拒否権ないじゃないですか・・・。」
王子「とりあえず、名前だけ聞いておこう。」
私「・・・・・・秘密です。」
王子「さて、侍女長でも呼んでここでさぼってる見習いの下っ端の身元でも調べるか。」
私「あーあーあー!待ってください。今言いますからっ!!」
王子「そうか、侍女長を呼ぶ手間が省けるな。」
私「えーっと・・・。アリスです。アリス・フシギノクニノです。」
王子「オマエ・・・変な名前だな。」
王子様、それ信じるんだ・・・。




