ば、ばれた?
早くも危機⁉
まずは、母に教えてもらった秘密の通路から城内に侵入して、侍女服で廊下を進み厨房近くの使用人控え室に入る。
さりげなく他の使用人の様子を見て、自分の変装や立ち振る舞いに変なところが無いか確認する為だ。初仕事だし、失敗は出来ない。
そしてまた廊下に出て歩きはじめる。母に叩き込まれた様々な仕草や身なりや行動の中に使用人のものがあったが、周りを見る限り変装と立ち振る舞いは我ながら完璧だ。違和感ゼロ、この茶髪茶目の平凡などこにでもいる侍女姿…周りに溶け込んでいる!
私…完璧だ。天才かもしれない…うん。
普通に城内を歩きながら内心はうっきうきでいると、突然声をかけられた。
「ちょっと、そこの貴方…。」
ばれたんだろうか…?振り向きながら、思わずスカートの下に隠し持っている武器や道具を確認する。
私「は、はい。」
振りかえると、使用人の服を着たなんだか偉そうな女性が眉間にシワを寄せながらこっちを見ていた。
「貴方…。そこで何をしているの?」
もごもごと返事を考えながら、数ある逃走ルートのどこから逃げるか素早く頭の中でシュミレーションする。
私「あの、えっと…。」
モジモジしていると、その女の人が近づいてきた。
すげぇ……足音ほとんどしないのに近づいて来るの超早いんですけどっ⁉ってそんな感心してる場合じゃなかったっ!!
「貴方…何か聞かれたらすぐにハキハキと答える!もしお客様に聞かれたらどうするの⁉グズグズしていたら失礼でしょうが!」
私「……え…?」
「え…?じゃ、ありません!全く、今日は忙しいのに。使用人は全員総出で舞踏会の準備に当たっているはずなのに、貴方はこんなところで何をぼーっとしているんですか!早く持ち場に戻りなさい!」
ば、バレてなかったぁーー!!
私「あ…。すみません。今すぐ戻ります!」
「早く行きなさい!準備が遅れたら連帯責任で、貴方と同じ担当の全員、減給ですからね!」
私「はい、本当にすみませんでした!」
私は素早く礼をして、足早にその場を立ち去った。
遅くなってすみませんでした。
最近の悩みは、さらさらっと面白い話を書けないかなぁと高望みしてしまう事です。(´Д` )




