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Give me ~転生者の受難~  作者: 屋久 咲夜
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もうすぐ十歳になるわけで


あのバカバカしい家族会議から、二年くらいたちました。その間の話飛び過ぎっ!って天の声が聞こえたような…うん、空耳だ。



兄さんはあのあと、ちゃんと王立学校に特待生として入学した。もちろん王子様も一緒に。寮生活免除の条件も入学の二週間まえくらいには、クリアしていた。ようするに今兄さんはSランクで、父さんの最年少Sランクの記録を塗り替えた。「さすが俺の息子!」とか言って、父さんは自慢げだ。



入学したばかりの時に、特待生で寮生活免除っていう特例の兄さんをやっかんだバカ達がいたけど、瞬殺だったらしい。その事件でランクがバレて、もとから多かった兄さんのファンがもっと増えたそうだ。外面だけは良いからなー、父さんの『女の子には優しく!』って教えも律儀に守ってるから余計に。



当人は一切女の子に興味がないらしく、告白されても優しく、かつバッサリと振ってしまう。我が兄ながら罪作りな奴だ。



仕事も順調で忙しいみたいだけど、夕ご飯はなるべく家族全員で食べている。そして、「そろそろ大きくなったから」という事で、兄さんの進学と同時に私と部屋を別けた。本音は母さんが私の部屋にも専用の秘密の部屋を作ると言い始めたから。父さんと兄さんはこの事を知らない。



部屋を別けて寝るようになってから、何故か朝目覚めると兄さんが私のベットにいる。一回部屋の鍵をかけて寝たことがあったけど、朝はしっかりベットに兄さんがいた。諦めた。




そして私はもうすぐ十歳。あと少しで義務教育の学校に入学する。勉学についてはすでに大抵のことを母に叩き込まれているので義務教育なんて全く必要ないのだが、同年代の子供とあまり話したことがないから、友達が出来るといいなぁ。






ところで、最近兄さんはSランクになってから、仕事の一環でよくパーティーに行くようになった。要するに社交界デビューってわけで、そうなるとそのようなパーティーには父と母も貴族として当然のように出席しなければならないので、兄まで行ってしまうと私は一人でさみしくお留守番なのだ。



「僕も行きたい。」と言ったら、父には「まだ早いからダメ」、兄には「パーティーになんか行ったら、クロードが可愛い過ぎて悪い奴らに攫われちゃうかもしれないじゃん。」とか言われて、取り合ってもらえなかった。



「家族で一人だけ除け者みたいでヤダ!」と母に愚痴をこぼせば、「行きたいなら、自分の力で行けばいいのよ!」と言われた。要するに、「行きたいなら、自分の力で忍びこめ!」ってことだ。さすが、怪盗ブルームーン。



そこで、一週間後に城で開かれる舞踏会に忍び込むことにした。家に来た父と母宛の招待状を拝借して、偽の招待状を偽装したところまでは良かったのだが、問題が発生した。



なんと母の贔屓にしている情報屋から、パーティーの襲撃計画を立てている奴がいるという情報が入ったのだ。襲撃の目的と黒幕まではわからないが、そんな噂が裏の世界で流れているらしい。



「なんか危なそうだし、めんどくさそうだから潜り込むのやめようかなー」とか思っていると、母が突然「怪盗ブルームーンとして、弟子の貴方に試練を与えましょう。」と言い出した。



私「試練ってどうゆうこと?しかも母さんとしてじゃなく、ブルームーンとして?」



母「そう、可愛い子には旅をさせよって言うじゃない?だから、今まで教え込んで来た全てを使って王族に恩を売ってきなさい。」



私「え?どゆこと⁉」









母の暴走第二弾(´Д` )

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