スルースキルがハンパない
実は昨日、初のコメント頂いたんです。
嬉しすぎて涙ちょちょぎれました!
そして、その嬉しさを全面にだしてみたら、今日の分がいつもより長くなりました( ´ ▽ ` )ノ
リビングに戻ったら、王子様の目の前で父さんと兄さんが口喧嘩していた。家族会議の内容を説明していたら、いつのまにかこうなったらしい。
私「ちょっと!父さんも兄さんも落ち着いてください。王子様の目の前でなにやってんですか⁉母さんもこうなる前に止めてくださいよ。」
母「だって、パパもアーロンも必死なんだもの。初めての親子喧嘩を止めたら悪いじゃない?」
私「悪くないです。止めてください。セバスチャンさんがお茶いれてくれてますから、皆落ち着いて話してください。」
父さんと兄さんをなだめて、母さんに説教している間に、セバスチャンさんにお茶をいれてもらった。本物の執事さんにいれてもらったほうが、絶対美味しいだろうし。
私「まったく…ケンカするまえに、わざわざ来てくださった王子様のお話を聞くべきでしょう?2人とももう黙って!」
王子「アーロン、お前と違って弟はしっかりしてるな。」
兄「うるさいな。お前なんで来たんだよ。学校の件は断っただろ?」
王子「お前ほど才能ある奴を逃すのは勿体無くてな、親父に相談したら説得してこいと言われた。」
兄「王が⁉でも…」
あ…こんな雰囲気なのに母さん、セバスチャンさんに頼んで紅茶のおかわりしてる。なんかのどかなお茶会みたいな雰囲気醸し出してるっ!誰かツッコめよっ!
父「あの…もし良ければ詳しく説明してもらっていいでしょうか?」
王子「ああ。王国全体の学力向上と才能のある国民の能力を伸ばす為に、今年から王立学校ができる。基本、魔法や剣術などの実践的な授業がメインだが、薬草学や医術、鍛治、希望者にはその他にも専門的なことが学べる。
教師も施設も一流を揃えた。また、奨学金も充実しているから身分も関係なく入学出来る。ギルド、騎士団、その他様々なところと提携を結んでいるから卒業後の進路、就職も保証されている。
そういえば、貴方のギルドとも提携をしているから、ちゃんと伝わっているはずだが…?」
父「書類関連は最近は副長と秘書に任せっぱなしで…あはは…。」
王子「まぁ、いいだろう。
そこで俺は義務教育の三年間で、将来有望そうな奴をみつけて特待生として王立学校にスカウトするという役目を、父王から任された。
第一候補はアーロンにすぐ決まったんだが、全寮制だと言ったら断られた。こんないい話断る奴がいるとは思わなかったよ。」
うんうん。そりゃそうだ。兄さん以外の皆が頷く。
あ!また母さん…今度はお菓子のおかわりかよっ!!
王子「最初は諦めようかとも思ったんだが、理由が理由だからな…。」
王子は溜息をはきながら、私のほうをチラッと見る。申し訳ないのと居心地わるいのとで、恐縮しながらまわりを見ると、皆が『なんだかかわいそう』って感じの目で私と兄をみてくる。
こんなブラコンのバカ兄貴で、なんだかホントにすんません。
王子「こいつのブラコンは筋金入りだ。たぶんというより絶対に寮生活は無理。そう考えた俺は、父に相談して解決策を編み出した。その解決策とは…」
王子の真剣な口調に、ゴクっという誰かが唾を飲み込む音がした。続いて母が紅茶を呑みこむ音がした。
母さん、この真剣な空気読めよっ!ってか、皆のスルースキルがハンパないんですけど⁉とか1人で悩んでいると、ついに王子が口をひらいた。
王子「その解決策とは、お前と俺の寮生活の免除だ。」




