父のプロポーズ
途方もなくめんどくさい話を聞かされた私は疲れきっていた。普通に要点だけ話せばそんなに時間かかんないだろ…てか、最後の惚気話の1時間が更に疲労を増幅させた気がしてならない。
私「はぁー、そっかそっか。その事件で父さんと母さんは運命的な出会いをして、一年後に結婚しつ兄さんと僕が生まれた。でも商売道具を処分しなかったのは何故?まだ続けてるの?」
母「続けてないわ。パパとの結婚の条件なんだもん。パパと初めてあったあの事件で、私たちはお互いに一目惚れだった。
パパの家は貴族だったけど、悪い事なんかしてなかったし、跡取りが国1番のギルドのマスターって有名だった。一目見た瞬間、この人ならって思ったの。私を逃がしてくれた上に、探しだして会いにきてくれた。
プロポーズの言葉は『君のやってる事は、本来なら国やギルドがやるべきことだ。だから、君の仕事を僕に任せてくれないか?絶対解決してみせるから、ブルームーンを辞めて俺と結婚してくれ。』。
すごく嬉しくて、すぐにでも返事したかったけど、私はこう言ったの。『全て任せるから、解決したら迎えに来て。』ってね。
時々、状況を見に行ったわ。彼は見逃してる事がないか見張りに来たと思ってたみたいだけど、本当は彼が心配だったから。
一年後、彼は約束通り迎えに来てくれた。婚約指輪のブルームーンストーン見たときに、『またダメ貴族が現れたら、ブルームーンは復活するかも?』って言ったら、『その時は夫婦で解決しよう。』。この人と会えて良かったと心の底から思ったわ。だから仕事道具は捨ててないの。」
私「へぇ、あの父さんがそんなカッコいいことを…。」
母「パパはいつでもカッコいいじゃないの~。」
私「ゑ?」
母「え?」
私「……。」




