第2夜
課題が終わりません(泣
でもストックしておいて良かったです。
おかげですぐにアップできます☆ 早めが大事ですね……。
校舎内を歩くこと、約5分。1年生の教室からは若干遠い場所にあるのが、この美華突高校食堂だ。
陽ちゃんと一緒に入ると、入口から1番遠い(といってもそこまで広くもないので、すぐに見つかる)席に座っている男女3人が声をかけてきた。
「おーい、陽平! こっちだ!」
「そんなに大声出さなくても聞こえるっつうの」
そんなことを言いながら、陽ちゃんはその声がしたテーブルのほうへと近づいて行った。
「遅ーよ。それよりも、その子? 昨日会ったっていうのは」
「そう。如月美月さん」
「はじめまして。如月美月です」
「かわいー! 俺、中山大知っていうんだ。ついでに2組! よろしく!」
「おう! こいつが俺らの中で1番のバカだ」
「何だと! でも言い返せないのが悔しいぜ!」
なんか楽しそうな人たちだな。
私はちょっとほっとした。この人たちなら、3年間楽しく過ごせそう。
「はじめまして、美月さん。あたしは遠峰ゆかり。あたしもだいちゃんと一緒で2組よ。いやぁ、あたし男の子の中で女の子1人だったから居心地悪かったのよねぇ。これからよろしくね」
「え、女の子1人って……。あの人は?」
私はそう言って、テーブルの端のほうに1人黙って座り、紙パックの牛乳を飲んでいる人を指差した。ちらりと見た感じでは、女の子に見えたけど……。
「……ん、何? 僕の顔になんかついてる?」
「じゃなくて、自己紹介でしょ、自己紹介!」
思いっきりゆかりちゃんに頭をはたかれたその人は、ちらりと私を見た後、いかにも面倒臭そうに自己紹介した。
「横山凜太郎。2組。帰宅部予定」
「あ、はぁ。如月美月です。こちらこそよろしく……」
「凜ちゃん、あんた自己紹介短いわ。そんなんだから友達少ないのよ」
「別に、気にしない」
強いな、この人。私だったら無理だな、友達がいないなんて。
なんて変なところで感心しながらぼーっと新しくできた友人たちを眺める。
「いい加減にしなよ」
「へ? 私?」
「違う。あんたの後ろの2人。他の人の迷惑になってる。……まったく、いっつも後始末をするのは僕なんだから」
ため息をつきながらも、慣れた様子で手早く喧嘩になってきた2人を回収する凜太郎君。
何だかんだ言って、凜太郎君にとって2人は大切な友達なんだろうな、ということがその目つきから分かった。
「みんな仲良しなんですね」
「うん。あたしたちみんな同じ中学校から上がってきたからね。ま、腐れ縁ってやつ?」
「「「お前が言うか!」」」
3人からの見事な突っ込みが入って、私は思わず笑ってしまった。本当に楽しそうだな、この人たち。これからが楽しみだ。
「それよりもさー、早く飯食おうぜ、飯!」
「って、あんたは早弁してもう無いでしょうが!」
「ねえ、ゆかり様? 俺に弁当を恵んでくれないかなー、なんて」
「ったく、あんたは。入学式早々早弁するか?」
「だって、高校生の早弁、憧れてたんだー」
「憧れてた、ってあんた……。この大馬鹿者!」
「あー、出た。北中名物、遠峰中山の夫婦漫才」
「め、名物?」
「そう。北中出身ならだれでも知ってるぜ。こいつらの漫才みたいな会話。これを文化祭で披露したんだから、そりゃもうすげーのなんの」
「へえ、仲がいいんだね」
「良くないわよ!」
「え~、そんなぁ。ねえ、お願いだから、分けて?」
今度は可愛らしくお願いすることにしたようだ。
正直男子がやるとキモい。凜太郎君がやるなら問題ないんだろうけど。
「気持ち悪いわ!」
案の定ゆかりちゃんの強烈なビンタがとんできた。痛そう……。
「だいたい、ここは食堂なんだから、昼くらい買えばいいでしょ?」
「今日財布忘れた。……恵んで?」
「……この、大馬鹿者!」
本日二度目のビンタ。ホントに痛そう。左の頬が赤く腫れあがっている。
それにしても、懲りないなぁ、この大知っていう人。もしかしてこれが楽しくてやってるのか?
1人そんなことを考えていると、いつの間にか陽ちゃんが私の隣に来ていた。
「おい、美月。お前も早く食べないと、昼休み終わっちゃうぞ。昼飯食い逃しても知らねーからな」
「え、嘘、もうそんな時間? やば、急がなきゃ」
私は慌てて椅子に座りなおしてお弁当を広げる。その隣に陽ちゃんも座って菓子パンを頬張っている。あんなので足りるのかな?
そんな私の視線に気がついたのか、陽ちゃんが説明した。
「これ、デザート」
……いつの間に食べ終わってたんだ、この人。
「ったく、しょうがないわね」
結局ゆかりちゃんが大知君にお金を貸すことで話がまとまったようだ。
「明日の昼だいちゃんのおごりね。……倍返しで」
ゆかりちゃんって、優しいのかひどいのか……。
「……食い足りねー。なあ、ゆかり。俺にも何か恵……」
陽ちゃんが急に言葉を切った。急に顔色が悪くなって、さらには脂汗まで滲みだしている。
「いや、何でもない。何でもないです!」
目が合うと、ゆかりちゃんはにっこり首をかしげた。ゆかりちゃんも陽ちゃんの顔色が急に変わったことが不思議なのかな?
再び陽ちゃんに視線を戻すと、今にも土下座しそうな陽ちゃんがいた。変なの。
「さ、もうすぐ昼休みも終わるし、教室に戻ろうか。次は校舎見学だって。もしかしたら一緒になるかもよ」
ゆかりちゃんの言葉で私たちはそれぞれの教室に戻ることにした。
話の切れが悪くて、いつもよりもちょっと長めです。
でも他の人の作品を読んでいると、もっと長めでもいいような気がするんですけど、どうですかね? 1話につき3000~5000字くらいで。