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第1夜

奇跡の再会はお約束ですよね。

 初めて陽平君に出会った次の日、私は3回目の入学式を迎えていた。小学校、中学校に続く3回目。何度やってもこの緊張感は消えない。


 新しいことが始まることへの期待と不安。

 それらが全部一度にやってくるのが入学式なのだ。


「如月 美月」

「はい」


 ぼーっとそんなことを考えていると、今日から担任になるのであろう教師に名前を呼ばれた。返事をして立ち上がる。


 ……そういえば陽平君って、何処の学校なんだろう。まさか同じ学校、なんてことはないよね。


 一度そう思うと、やっぱり気になってしまうのがヒトの性ってものだ。自分の後に呼ばれる人の名前に耳をすませた。式中にきょろきょろするのはあんまり良くないからね。


「以上、319名」


 最後のクラスの呼名を行っていた教師がそう言って、今年度入学生の名前が呼び終えられた。やっぱり、陽平、なんていう名前の人はいなかった。


「やっぱり偶然なんてありえないよね」


 ちょっとがっかりしながら、これから1年間過ごすことになる新しい教室へと入って行った。




「改めて、今日からこのクラスを担当することになった、遠峰大地だ。担当は古典。まだまだぴちぴちの25歳だ。ちなみに彼女は募集中なんで、よろしく。俺からは以上。じゃあ、窓際の1番前の人から自己紹介してくれ」


 何なんだ、この人! 25の大の男が何がぴちぴちだ!! しかも自分の教え子に彼女募集中、よろしく、って誰にだ! 親か。母親に言えばいいのか!?


 私が盛大に(心の中で)突っ込んでいると、いつの間にか私の番が回ってきていた。やば、何にも考えてなかった。


「えと、如月美月きさらぎみつき。南中出身。趣味は月を見ること。誕生日は10月。以上、よろしくお願いします」


 座ってから激しく後悔。なんて面白みのかけらもない自己紹介。しかも何か余計なことまで行っちゃったような気がしないでもない……。こんなんじゃ誰も寄ってきてくれないよ……。


 予想通り、休み時間、私のところに寄ってくる人はいなかった。近くを通った時に声をかけることはあっても、話しこもうとすることはなかった。


 私はどちらかといえば、自分から話しかけるのは苦手なほうだから、話しかけてもらわないと話せないんだけどな。




 そんなこんなで昼休み。


 1人お弁当を抱えながら教室をきょろきょろ見回す私がいた。


「お弁当どうしよう……。初日から1人なんて寂しすぎるしなぁ」


 やはり先ほどの自己紹介がいけなかったのか、みんな悪気なく私を無視している。初日から1人で食べてると、きっと1人が好きだとか思われて、ずっと1人で食べることになるんだろうなぁ。


「どうしよう……」


「……らぎさん、如月さん!」

「うわ! あ、は、はい!」


 まさか急に私に話しかけてくれる人なんかいないと思ってたから、かなりのオーバーリアクションをしてしまった。恥ずかしい……。


「えと、大丈夫? あのね、如月さんのこと呼んでいる人がいるんだけど」

「あ、ありがとう。ごめんね」


 驚かせてしまった子に一言謝ってから私は出入り口のほうを見た。


「え、あれ、嘘……」


 びっくりする人物がそこにはいた。


「こんにちは、キサラギ ミツキさん。俺のこと覚えてる?」

「覚えてるも何も、昨日会ったばかりではないですか」

「あれ、何故敬語?」

「え、だって、私あまり陽平君のこと知りませんから」

「昨日のは?」

「あれは、……年下だと思ってたから……です」

「………………」


 二人の間に流れる微妙な沈黙。


「ところでさ、もし一緒にお昼食べる人がいないなら差、俺たちと一緒にどう!?」

「うん!? 喜んで!」


 変なテンションになったのは仕方がない。うん。許せ。


「じゃあ、俺の友達待たせてるし、食堂行こうぜ」

「え、あ、はい」

「それと、敬語とか別にいいから。俺も美月って呼ぶし、俺のことも陽平とか、陽ちゃんとか、適当に呼んでよ」

「はい、分かりまし……分かった。じゃあ、陽ちゃん、って呼びま……呼ぶね」


 私の敬語と常体が混じった変な言葉遣いに陽ちゃんは苦笑しながらも、手を差し出した。


「これからもよろしくな。じゃ、行こっか」

「うん!」


 やっぱり陽平君がいい人でした。

元は自分で好きなように書いていたので、切れ目がバラバラです。

短いのもあれば長いのもある……。


いっそのこと書きなおそうか。……でもめんどい。

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