【たいよう新聞デジタル(アーカイブ) 2026年8月20日配信】
「線状降水帯」相次ぎ発生 栃木県内に大雨特別警報 足利でマンションが大規模崩落に巻き込まれる
栃木県内を襲った記録的な大雨から一夜明けた20日。被害状況が徐々に明らかになってきており、県内で少なくとも3人の死亡が確認された。また、足利市内の「すみれが丘マンション」が大規模崩落に巻き込まれ、住民の安否が懸念されている。
■「まるで巨大な爆発があったのかと思った」
すみれが丘マンションの近隣に住む神田さん(仮名・73歳・農業)は当時の様子を語る。
「真夜中にふいに山の方からものすごい音がして、しばらく地面が揺れ続けた。避難するか悩んだが、外は豪雨で家の前も川のようになっており、今さらどこに逃げることもできなかった。一晩中生きた心地がしなかった。翌朝外に出てみると、丘の上のマンションがなくなっていた」
すみれが丘マンションは、昭和の高度経済成長期に建設されたいわゆる「マンモス団地」の一つ。
すみれが丘ニュータウンと名付けられた地域には10棟を超えるマンション群が立ち並んでいた。しかし、交通利便性の悪さや住民の高齢化などにより、近年は限界マンション化が進んでいたと言われている。
それでも全住民の数は1,000人を超えており、居住者の多くが高齢者であることから、大規模崩落による甚大な被害が懸念される。
現場は巨大なシンクホール(大規模な陥没穴)が出現し、すみれが丘マンションの一群を丸ごと飲み込んだような状態となっている。
20日早朝から警察や消防、自衛隊が協力して懸命な救助活動を続けているが、これまでに生存者の発見には至っていない。
■鉄道冠水や通行止め相次ぐ 県内15市町に災害救助法適用
今回の豪雨では市街地でも被害が相次ぎ、JR足利駅構内や周辺の住宅地が広範囲にわたって冠水した。県内では現在も幹線道路など12カ所で通行止めが続いている。
家屋被害も深刻で、県のまとめによると、足利市内で住宅6棟が全壊したほか、佐野市を中心に床上浸水が45棟、床下浸水も39棟に上った。
県は20日朝、災害救助法を適用する自治体を15市町に拡大したと発表した。
19日夜に県内各地に発表された大雨特別警報(警戒レベル5相当)は、20日朝までにすべて解除されたが、気象庁は引き続き土砂災害や河川の氾濫に最大級の警戒を呼びかけている。
気象庁によると、19日夜から20日未明にかけて栃木県内の18市町に大雨特別警報が発表され、うち4市には土砂災害に関する警戒情報が出された。短時間に猛烈な雨をもたらす「線状降水帯」が複数回発生し、数十年間に一度の大雨とされる「記録的短時間大雨情報」の発表は計18回に上った。
20日午前5時までの24時間降水量は県内各地の観測史上1位を更新し、8月1カ月分の平年降水量の2倍を超える記録的な大雨となった。




