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貯金箱ならぬ基金箱

今私はある事を企てている。


1歳の誕生日を目前に、ある一大プロジェクトを遂行ちゅうなのだ!!


そのプロジェクトとは……


ズバリ共済金である!!!


お手頃価格の一律の掛け金ながらもしもの備えに役立つ共済金。


これを乳幼児ならではの手法を使い行使するのだ。



まずは掛け金の調達。


今ウチが喋れる単語は以下の通りだ。



【パパ、ママ、うん、ちゅち(好き)、いあ(嫌)、くたい(下さい)、ねう(寝る)、マンマ、ウマー(美味しい)、パー(乳母)、ビー(執事)あぁーと(ありがとう)、どーじょ(どうぞ)】



これでも最速で修得したのだ……。


口が、舌が上手く動かない何とももどかしいのだが(クッ)


この拙い単語から掛け金を調達するには……



【くたい(下さい)】

【あぁーと(ありがとう)】



このふた言と、創造神デュアルゴ様が約束を守ったからなのか?昔観た海外ドラマ〖フル〇ウス〗のミシェルバリの可愛い容姿で貯金箱を持って屋敷中を練り歩く作戦!!


それには種まきが必要だ。


まずは一番チョロいぱぱんから。


仕掛けは簡単。


プレゼントを貰った後の丁度良い大きさの箱を何処に行くにも後生大事に持ち歩き、この箱が大切なのだと擦り込む。


そして、今私はぱぱんに英才教育を受けている。


この国の通貨や通貨に刻まれてるのは誰か、私達が日常的に食べている野菜(トマトらしき物)は幾らで、一般の野菜は幾らで等を繰り返し聞かされるのだ。


って……ウチのトマト高くね?大丈夫?1個銀貨1枚て……。一般のトマトは銅貨8枚って事は……日本円で言うと銀貨1枚が1,000円位で銅貨1枚が10円位、間には小銀貨が有るから小銀貨1は100円位だな……


良し、決まり。


小銀貨を狙って貰う事にしよう。


ここはめっちゃ可愛いく目をキラキラさせてと上目遣いで……。



【くたい♡】


『ん?どうちたんでちゅか?』


【こえ、くたい♡(これ、ください)】


『声臭い……ぇえ、パパ口臭いって事……』



オーマイガー……幼児語をそんな風に解釈されるとは……


〖ブホッ!んぶ、ブフふ〗


『ビルフェルム何が可笑しい……お前も私の口臭に気付いていたのか?』


〖いやはやブフ……お嬢様は……ブホッ……小銀貨を下さいと言っておられるのかと。〗


『えっ!そうなのか?クラたん、小銀貨が欲しいの?』


【うんうん、くたい♡】


ビルフェルムないすぅー!!!


すかさず、空箱を差し出す。


『クラたん、この箱に小銀貨入れて欲しいの?』


【うんうん(ニコッ)】


『ビルフェルム……今すぐ箱を小銀貨でいっぱいにしろ!』


〖はっ!畏まりました!!〗


畏まらなくていーよ!ビルフェルム!?


【ちあう、ちあう、うーん】


一生懸命指を1本立てて見せた。


『クラたん、1枚で良いの???』


【うんうん(ニコッ)】


『じゃあ、銀貨を1枚あげよう。』


【いあ!】


『小銀貨が良いの?』


【うんうん(ニコッ)どーじょ】


『分かったよ。どうぞ(笑)』


【あぁーと、パパ♡チュッ】


あーぁ、ぱぱん……天井見上げて目の上に片手乗せちゃったよ。


さっさと降りて次の行動に移らねば。


ビルフェルムに降りたいアピール。


両脇を抱えられて無事着地。


微動だにしないぱぱんを余所に、私の次なる目標はビルフェルムだ!


【ビー、くたい♡】


〖お嬢様、何か欲しい物が有れば何なりとこのビル爺にお申し付け下さいませよ。〗


と言いながら、ビルフェルムは小銀貨を1枚入れてくれた。


【ビーあぁーと♡】


ビルフェルムには手にほっぺをスリスリしてあげた。


ビルフェルムもぱぱん同様に天を仰いだ…。


私はチューでも構わないのだが、ぱぱんが拗ねるのでやめた。


今日の所はこの二人でOK。


明日になれば……ふふふ。


あぁーでもな、ままんの所にも行かないと大変だから、ビルフェルムに連れて行って貰うか。


【ビー、あっこ(抱っこ)】


〖畏まりましたお嬢様。〗


【ビー、ママいく】


〖はい。奥様の書斎へお連れ致しますね。〗


【パパ、ババイ】


〖旦那様、一旦失礼致します。〗


ぱぱんは目を抑えている方の反対側の手をヒラヒラと振った。


ビルフェルムは流石年の功といった感じ。


ジェントルマンのお手本の様なロマンスグレーだ!


私の幼児語解釈もお手のものである。



そんな事を考えている間に、ままんの書斎到着。


コンコンコンとリズミカルにノックするビル爺。


〖奥様失礼致します。お嬢様が奥様にお願いしたい事がおありの様なのでお連れ致しました。〗


《どうぞ。》


ガチャ


《どうしたの〜クラレンス、ママに会いたくなっちゃったのかしら〜♡チュー》


【ママ、くたい♡】


箱を差し出す。


《ん?ママにくれるの?》


違う違う、そーじゃそーじゃなーい!


【ちあう、くたい♡】


〖奥様、お嬢様は小銀貨が欲しいらしく、旦那様と私からも集めて行きましたよ(笑)〗


《アラアラそうなの?クラレンス、絶対にお口に入れてはダメよ?》


【うんうん(ニコッ)】


ままんも箱にポトンと入れてくれた。


【ママ、あぁーと♡チューッ】


ままんには大サービス!!


お口にブチュっとね♡


熱烈チュッチュの後、ままんが抱きしめてくれたのは凄く嬉しいけども……あれ、あれれ、ままん、何だか抱きしめる力が強すぎませんか?!


ギブ!ギブ!ギブ!!!


〖奥様!抱かれる力がいささかお強いようで、クラレンス様が苦しがっておらる御様子です。〗


《アラアラ〜ごめんなさいね(笑)クラレンスが可愛すぎるから。ホホホ》


あぁ……死ぬかと思った。


でも、これで本当に準備は整った。


明日になれば……ふふふ。


ニヤ〜ッと幼児らしからぬ悪そうな笑顔をビル爺は見逃さなかったが素知らぬ顔をしてくれたのだった。





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