狭い苦しい痛いんですが!?
(……頑張って……イキんで!!)
【何か聞こえるなぁ……ってか、えっ、痛い痛い痛い!狭い苦しい暗い!!早く出して出してーーー!!!】
トゥルン……
【ぷはぁーーー!めっちゃ苦しかったーーー】
【オギャー!オギャーオギャーーー】
ん?オギャー?
「おめでとうございます奥様!可愛いお嬢様でございますよ!!」
バンッ!!!と勢いよくドアが開く音がすると、
『マーシャ、マーシャ、あぁマーシャありがとう!ありがとう!!あぁ……この子が僕達の天使かぁ……ウグッ(泣)』
《オルフェス、泣き過ぎですよ(笑)えぇ、この子が私達の天使です……グスッ(泣)》
「「「「「旦那様、奥様、おめでとうございます」」」」」
グスングスン、ウォーーー、ウグッとそれぞれが泣いている。
【オギャーオギャーオギャー!!!】
そっかぁ……今私は新しく産まれ変わったのかぁ…って、バリバリ前世の記憶持って来ちゃってるし……まぁ、記憶無きゃ保険屋出来ないもんね(笑)
《オルフェス!見て!笑ってるわ(泣)》
『あぁ!あぁ!僕達の喜びがこの子に伝わったのかもね(泣)』
そんなに喜んでくれるんだ……ありがとうね。
遠回りしたけど、そのお陰で子供を授かる喜び今なら分かるよ。
それと同時に息子二人を初めて胸に抱いた時に、子供達の重さが責任の重さだと思ったなぁ。
この子達が一人で生きて行ける様になるまで、将来巣立っても陰ながら応援出来る親になる様にって……。
泣きたくなったから沢山泣こう。
泣いてもいいの。今は赤ちゃんなんだから。
それに、何故か……またあの子達に逢える気がする。
それはまだまだ先の別のお話。
『マーシャ、この天使の名前は?』
《色々候補はあったのだけど……顔を見たら浮かんで来たの。》
《クラレンスよ!この子はクラレンス・セードルフ・ブラウン》
『あぁ!クラレンス・セードルフ・ブラウンか!!素敵な名前だね(泣)』
おぉー!!前世で私が大好きだった映画のシスターの名前だ!!!
気に入ったぞい!ままんグッジョブ!!(ニコッ)
『気に入ったみたいだね(笑)まるで僕達の会話が解ってるみたいだ。マーシャ……この子は天使で天才なんじゃないだろうか?』
《オルフェス、早速親バカね(笑)》
あぁ、何だか眠くなって来た……
「奥様、お早く母乳を。少し吸わせる事で母体も乳が出やすくなります故。」
「殿方は全員お部屋から退室頂きます。」
『そんなぁ!パトリシア私は良いでは無いか!?』
「出産直後の母親とはデリケートなものなのです。それなのにあの様に無作法に飛び込んで来られて……ゴゴゴゴゴゴ(怒)」
『はぃ……あの……はぃ』
《オルフェス、私も少し疲れました。夜通し頑張っていましたし、オルフェス始め皆もお疲れでしょう。少し休みますので夕方またいらして下さいな(ニコッ)》
どうやら私は朝方に産まれたらしい。
皆、振り回してごめんね(汗)
そしてぱぱんよ…。可哀想だがままんを休ませてやってくれ。
出産はマジで大変なのだ!!
あぁ、この辺の保証も手厚くしたいな。
殿方が追い出された後、ままんから初乳を与えられ喉の乾きを潤すが如く頑張って飲んだ。
そして空腹と喉の乾きが癒される感覚、母親に慈しまれる安堵感を胸に意識を手放したのであった……。




