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サボりたがりの魔法オタクの司書生活  〜好き勝手に生きてやる!(あ、時々相談も受け付けます)〜

掲載日:2025/12/03

「お兄ちゃん、お父さんとお母さんは?」

「2人は、お空に、昇っていたんだ」

「空に?」

「ああ、そうさ」

「もう会えないの?」

「そう、だな」

「そんなのは嫌だよー!」

「泣くな。父さん達がみてるかもしれなだろ。お前が、泣いたら、父さんは悲しむぞ」

「そう?」

「ああ」

「じゃあ、泣かない」

「えらいぞ。エレ」

「うん」

 

 

 

 うーん

 

『チリリリーン! チリリリーン!』

 

 もう朝か。

 一旦時計を止めないと。

 

 にしても久しぶりに父さん達の葬儀の時の夢を見たな。


 あれから結構、時間が経ち、俺は生意気なガキに育ちました、父さん。

 

 そういえば今日って何か、予定があった気が……

 

 あ! 仕事は今日からだったな。まだ6:00ごろだし、少し余裕を持っていけるな。

 

 にしても学園の司書になるだなんて、学園に入学したときの俺に言ったら信じないだろうな。

 

 でも、学園に入学してから気づいたんだよ。あの仕事は、いい給料をもらいつつ、楽してサボって、好きな 魔法の研究ができるって。

 

 いやぁ、楽しみだな。家にはなかった魔導書もたくさんあるだろうし。考えるだけで、よだれがたれそうになる

 

 とりあえず、朝食の用意をするか

 

 着替えは、魔法で終わらせるか

 

「着替え魔法発動」

 

 誰かは知らないけど、この魔法を作ってくれた昔の人に感謝だな

 

 そういえば、俺が学園にいた時の司書の先生やめるらしいから司書は俺一人になるのか……まあ、大丈夫か、魔法でゴーレムを召喚して整理とか任せて。俺は好きなことしていればいいや。あ、でもたまに生徒とかが相談に来てたな。

 

 うーん、相談かぁ。まあ、話題次第だな。ただ、困っていて、今後も会うであろう人を放っておくのも、後味が悪いだろうし、相談は受けるかー

 

 あ、そういえば今何時かな……へ?

 

 

 

 ん?

 

 嘘だろ。7:00?

 

 もしかして……あー! やらかした。節約のために安いやつ買ったら。この目覚まし時計、1時間ずれてんじゃん!

 

 やばい! 飯食う余裕はない! 7:10には来てくださいって言われてんだぞ!

 

 とりあえず予定通り、転移魔法で行けるところまで行こう。学園内は転移魔法が使えないから。最寄りまで行って全力ダッシュだ!

 

「転移魔法!」

 

 

 

 

 

 

 

 よっし! あとは走り抜けるだけ!

 

 って! 新入生がいるじゃないか! そうだよ! 今日から新学期だもんな。人混みをかき分けるのはきつい……なら空を飛べばいい!

 

飛翔(フライ)!」

 

「「「「「うわぁっ 人が飛んでる」」」」」

 

 下から見られているが無視だ無視!

 

 このままいけば、いける。


 って、おばあさんが倒れて、そこに生徒が群がっている! どうするべきか……


 でも、助けないと後味が悪い、だったら助けるべきだろ!


「どいてどいて! これでも新任の先生だよ! おばあさん、大丈夫ですか?」

「うぅ」

 まずいな。意識を失っている。多分、魔力中毒だな。


 魔法は便利だけど、歳をとって使うと。たまに魔力中毒を起こして倒れることがあるんだよな。応急措置なら、治療魔法をかけて、逆に、体に魔力を回して、体を強引に活性化させるのが1番いいんだ。


治療(ヒール)

 ……成功したな。


 あとは生徒に託せればいいんだが


「誰か、この人を保健室に連れて行ってくれないか?」

「えっと、僕が連れて行きます」

「ありがとう! 悪いけど、ようがあってね。行かせてもらうよ。保健室の場所はわかるかい?」

「ええ」

「なら、大丈夫だな。よろしく頼むぞ!」

「はい」

 早くしないと


 にしても、学園におばあさんがいるなんて珍しいな。滅多にないと思うんだが。清掃員の人がいるのは、この時間帯じゃないし、そもそもおばあさんなんてやとうか? もっと、いい人がいるだろうし。まあ、遅刻しそうなんだからこんなことは考えないでいいか


 お、見えてきたな。

 

 ギリギリセーフ

 いやぁ、よかった。たしか、新しい先生の紹介があるから、俺が出る必要があるんだよな。

 

「あっ! エレ君! 探しましたよ!」

「あ、ロイ先生じゃないですか」

 ロイ先生は今年も数学の担当なのかな?

「もう、リハーサルが始まっているんですよ!」

「え? でも、7:10までにくればいいんじゃ?」

「変わったと手紙を送ったはずですよ。エレ君は、首都に住んでいるので。10日前に届けられたはずです」

「え……」

 やっば、郵便入れは、俺一切見ないからな。さっきのお婆さんの件は……言い訳にはならないな。


「なるほど。そういえばエレ君は郵便入れは見ないんでしたね。それで、以前も……まあ、この話はいいです。とりあえず、ついてきてください!」

「あ! わかりました」

 

 初日からやらかしたー

 これじゃあ、サボった時の好感度が、下がりやすくなる!

 

 くそっ! 俺は好きなことして生きていきたいのに!


 好感度が下がると面倒な仕事を押し付けられるかもしれない。


 いや、まあ、全部俺のせいだけどな

 

「では、いきますよ」

「あれ? 転移魔法ですか?」

 学園内では一応できるんだけど。限られた教師しかできなかったはず。

「私も、使用できる教師になったんですよ」

「はぇー。すごいんですね」

「これでも20年間学園に勤めていますから。それにしても、主席であるあなたが、司書になるという、話は学園内にすでに広まっているそうですよ。まあ、実態は、我々上位魔法使いと変わりませんが」

「えっ。それって面倒ごとにつながりますか?」

「そりゃあ」

 えー。主席という武器を振り回して、司書の仕事をサボりやすくできると思ったのに!

 

「そうですかぁ」

「まあ、主席の使命みたいなもんです。まあ、めったに主席が教師、ましてや司書になるなんてことはないので。そうなると知らない生徒も多いですが。あなたもその1人と。まあ、あなたは魔法以外は並、剣技などに至っては常人以下ですからね。まあ、魔法が突き抜けているおかげで、プラスで点を取れて主席になりましたが。そういう制度がなかったらあなたは主席じゃないでしょうね」

 

「あ、そろそろつきますね」

 ふふふ、我ながら鮮やかな、話題逸らしだ。この話は長引くと面倒なことになりかねない。

 

「そうですね、それと、あなたは時間的にリハーサルはなしです。何をいえばいいかと流れの本だけ渡すので、自分で覚えてください」

「あ、はい」

 

 なるほどね、じゃあ、記憶魔法を使って。頭の中に入れたら、持ってきた魔導書を読むとするか。もちろん偽装魔法を使えばバレる可能性はないに等しい。やっぱり、何よりも魔法の研究が優先だな

 

「もしかして、あなた、サボる方法とか考えてませんか」

「ソンナワケナイジャナイデスカー」

「はぁ。まあ、あなたは昔からそうなので。やめろとは言いません。ただ、時と場所を考えてくれると嬉しいです」

「はい」

 バレてたか。くそっ、さすがロイ先生だ。

 

 しょうがないし、真面目にやるかぁ。

 

 〜〜〜

 

「それでは、これから帝国魔法学園第105期生の入学式を開始します」

 はじまったな、まあ、全部流れは一通り頭に入れてるから、大丈夫だな。

 

 入学式の時を思い出すな。入学式の時はなんか、俺にダル絡みしてくるやつがいたんだよな。まあ、無視したけど。貴族至上主義のやつだったから。平民が入学しているのが単に気に入らないんだろうけど、この国は実力重視主義だから関係ないんだよな。

 

 その考えを押し通したいなら、他国にいってほしいよな。


 まあ、そのあと何やかんやあって、和解したんだけど。理由もよくわかんなかったから、魔法でボコボコにしたくなったな。




 にしても、学園長の話が長いのはどうしてなのだろう。短い時は本当に短いのに、入学式の時だけ、とんでもなく長くなるからな。


 学生だった時は俺は、魔導書を読んでやり過ごしてたんだよな。



 まあ、だいたいロイ先生に見つかって叱られてたんだけどな。


 あぁ、暇だ。魔導書を読みたい。今日は、まだ、魔導書読んでいないんだ、このまま、読まないと、禁断症状が出てしまう。


「――ところでですが、最近、新しい特殊魔法が考えられ――」


 なに! 新種の特殊魔法だと!


 これはいけない! 真面目に聞かないと!


「――まあ、虫が光るだけ、というくだらないものなんですけどね」

 は? 何がくだらないだ! 魔法には、1つ1つ、開発者の思いが込められているんだぞ! くだらないとはなんだ! くだらないとは! そもそも、魔法とは全て素晴らしいだろう!


 そもそも、魔法の起源というのは、1万年前までさかのぼる。

 そして、生物を光らせる魔法、発光魔法は、その初期から研究され続けている、歴史ある分野だ。そして、長い歴史があるということは、研究の余地がほとんどないということ。しかし! その魔法を考えた人は、新しく、その分野の中から、生み出したということだ! これは、とんでもない偉業だろう!



 〜〜〜


「では、次は新しい司書の紹介です」

 やっと俺の番か


「前年を主席で卒業した。エレ=ブック司書です。では、短いスピーチをお願いします」


「新入生の皆さん。初めまして。エレ=ブックと申します。悩み事などあったら相談に乗るのできてくれると嬉しいです。魔法がとても好きですので。魔法についての話も大歓迎です。よければ休み時間に、図書室にきてみてくださいね」


 うん、こんなんでいいか。


 〜〜〜


「エレ君もやればできるんですね」

「そりゃあ、そうですよ。僕をなんだと思っているんですか」


「そりゃあ、サボりたがりの魔法オタクでしょう」

「大体当たってますが、まだ俺はオタクというには魔法の知識が足りません。オタクとは魔法の極致ですよ」


「は、はぁ……ま、まあいいです。渡すものがあったんですよ。それはこちら、図書室の鍵です。ということで、図書室ちゃんと管理してくださいね」

「あ、任せてください」

「まあ、あなたのことですし、学生の時に読みきれなかった魔導書を読むんでしょうけど」

「ハハハッ」

「それでは、私は授業の用意がありますので。それでは」

「それでは」




 これからが楽しみだ

 まずは、読めなかった魔導書を読んで、興味があるやつは、研究だ!


 ここを曲がれば、図書室だ!


「愛しの図書室よ……って、え。どうして、本が散乱しているんだ? あとどうしてカエルが……」


「あー。その君、ちょっと助けてくれないか? 魔法の実験をしてたら、こうなってしまって」

 わけがわからない!


 なんで、そうなるんだよ!


 とりあえず考えるのやめよう。

「ホンノセイリヲカイシダ!」

「おい! 君?」 

 俺は聞こえてない!

 聞こえてないんだ――――!


 あれはたぶん、いや絶対に人だ。間違いない。まずしゃべっている。更に変身魔法だと言っている、ここからみちびきだされる答えはひとつ! あれは人間だ! つまり、面倒ごと! さらに、ここにいるってことは、特殊な立場の人か、やばいやつだ! 無視するに限る!


前も似たようなことがあったんだ。あの時の二の舞にはならない!

 


 状況を再確認しましょう。図書館にカエルがいました。しゃべっています。しかも十中八九人間です。

 

 ふざけるんじゃないよ

 

 うーん、面倒ごとだぁ。おれはこんなのみてないぞぉ

 

 無視だ無視、困っているとか知らない知らない。

  

「ちょっと? 君、いなくならないで。ねぇ、頼むから。本当にお願い。頼むって。なんで、本を戻し始めるの? なんで無視して魔導書を読み始めるの? ねぇ、頼むよ。君に手伝ってもらわないと、つまみ出されるんだよ」

 

 面倒ごとは無視だ無視。

 

 よしっ、魔導書読むぞー!

 

「あー、はいはい」

 へぇ、興味深い内容が書いてあるな。へぇ、そういう方法もあるのかー。さすがだなぁ

 

「はいはいじゃないの、頼むよー」

 

「そうですかー」

 はぇーさすがだなぁ。やっぱり、魔導書は素晴らしいな、必要な情報がわかりやすく、適切に書かれている。魔法の道を導く本なだけあるな。

 

 まあ、中には複雑すぎるという、奴らもいるが。そいつらは、魔法への理解が浅いんだよ

 

「ねぇ、頼むよー。あ! そうだ、僕なら君が知らなさそうな、特別な魔法や、この図書室の隠し部屋の場所を知っているよ! その中には数々の古代魔法が書いてある、魔導書がいっぱい! 助けてくれたら教えてあげるよ」

 

「それは、本当なのか? 特に、隠し部屋のほう! 古代魔法だって!」

 ふふふ、それが本当なら。

 

「あ、ああ、そのとおりだよ。君も知っての通り、この学園は歴史が長いだろう? だから、1000年前に作られた隠し部屋があるんだよ。それも、おそらく僕しか知らない。ここでしか手に入らないよ」

 ほ、ほしい。面倒ごとを回避することよりも、そっちのほうが重要だ! あとよりも今だ!

 

「よしっ! わかった! 助ける!」

 

「ありがとう!」

 

「ところで、どういう魔法が使われているんですか?」

 

「い、いきなり口調が丁寧になったね。まあ、僕自身もよくわかっていないんだ。あれこれ、混ぜてそれっぽくなるようにやったからね」

 

「……はい? いや、新しい魔法の実験の時は、ちゃんと実験を行ってやるもんでしょう?」

 

「いやぁ、だって思いついてしまったんだから」

 

 えぇ。まるで、前任の司書だろ。あいつみたいなのとは絡みたくないぞ。

 

 あいつが行う特別授業の最中に思い付きでいきなり実験を始めて、授業をぐっちゃぐちゃにしたことは、今でも覚えている。

 

 あれは、恐ろしかった。魔法は素晴らしいが、使い手がああだと、とんでもないことになると痛感させられた。

 

 さすがに俺でも、時と場所はわきまえるからな

  

 でもあいつは、今はいないはず……いないよな?

 

 やばい、不安になってきた

 

「それよりも隠し部屋に古代魔法」

 うん、でも確定ではないだろう。前任じゃない可能性もあるんだ。

 

 助けよう。

 

 

 あれ? 冷静に考えたらこいつ怪しいな

 

 

 

 でも、隠し部屋のほうが優先だ。それに、侵入者だったら、情報を吐き出させた後に倒せばいい。負けたら、その時はその時だ。

 

 

 まあ、多分どうにかなるはずだ

 

「じゃあ、少し見させてもらっていいか?」

「ああ、いいぞ」

 

 うーん、完全にカエルだな。なんの魔法が使われているんだ?

「解析魔法」

 

 うーん、10は最低でも使われているな。しかも、関係なさそうなのもあるな。

 

 どうしよう、なんか、疎外系の魔法も練りこまれている。

 

「どうだ?」

 

「うーん、分からない。長引くかもしれないけど、バッサリ終わるかも、使った魔法は思い出せないのか?」

 

「えーっと、まず、一般的に使われている変身魔法に、魔力を抑える、魔法をつかったことは覚えている」

 

 変身魔法は、魔力を大量に消費して変身しているから。魔力を抑えたら、変身できなくなるんだぞ。しかも組み合わせたら、別物が出来上がる可能性もあるしな。

 

 どうしよう、うーん、とりあえず、そこそこ興味深いし、解析結果は、記憶して後で記録しておくか。

 

 とりあえず、魔力を抑える魔法を、解けるかやってみるか

 

 えっと、ここをこうして。ああすれば

「何をしてるんだ? 体がむずむずするんだが?」

 

「魔法をいじって解除しようとしている」

 

「え? そんなことできるのかい?」

「何言ってるんだ、上位魔法使いになるための必須の技能だぞ。このレベルのを安全に組むには必須だろ」

 

「私はできないが」

 

 だから、こんなものができたのか。

 

「なるほどな、人に戻ったら、いくつか聞きたいことがある」

「ん? わかった」

 

 ~~~

 

「お、いけそう」

「おお!」

 

 これ、他人の魔法をいじる技術が必要な奴だな。だからこいつは、自力で戻せなかったわけだ、いやぁ、いろいろと納得がいったな

 

 いける!

 

「よっし! これで変身魔法を解除できないかやってみてくれ」

「わかった。お、いけそうだ」

 

 よっし

 

「いけたぁ!」

 

「はい?」

 

 えっと、見間違いか幻覚かなぁ前任の司書がいるように見える。

 

 うそだ、そんなわけない。脳が理解を拒否している

 

 

 目をこすってみよう

 

 

 うん、間違いない

 

 だったら、こいつは排除しないとだめだ

 

「ん? なんだ? って、君! 何僕に攻撃を仕掛けようと」

 

「滅べぇぇぇぇ!」

 

「やめてくれ! エレ君、確かに正体を明かさなかったのは悪かったよ! まあ、そうなるのは予想ついていたよ。君僕のことが苦手だからね。まあ、なんでかわからないけど」

 

「消えろぉぉぉぉぉ」

 

 魔力は集め終わった! 無自覚野郎にはお仕置きが必要だぁぁぁぁ!

 

「ちょ! やめて!」

 

大砲魔法(ブラスター)用意!」

 

 照準OK。この魔法は城をも貫く、俺の怒りをくらぇぇぇぇ!

 

「ちょ、やめて。なに、その君の手のひらに集まっている、青い光は。ねえ、ちょっと待ってよ、なんか空気とか吸い込んでいるんじゃん。やめて、本当に頼むから。青い光が輝きを増してるんですけど。ねぇ、本当に待ってってば、頼むよぉ」

 

「発射用意完了。発射ぁぁぁぁ」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 ~~~

 

「なんで生きてんだよ」

 

「そりゃあ、防御魔法をフルで使ったからだよ」

 

「まあいい、とりあえず聞きたいことがある。なんで、あんなことしたんだ?」

 

「思いついたからだって言ったじゃないか」

 

「失敗するかは考えなかったのか?」

 

「失敗は成功の母だ! 失敗とは重要なことなのだよ」

 

「俺もそれには大いに賛成だが。失敗が起きる可能性が高いかつ、十中八九人に迷惑をかけることをするのはやめてもらえるか? 魔法の研究は時と場所をわきまえるべきだ、そもそも、お前みたいなのがいるから、魔法研究をしている人の、印象が微妙なんだよ」

 

「失敗は成功の母だぞ?」

 

 ああ、話が通じない。

 

「そういうことじゃないだろ」

 

「どういうことだ?」

 

 嗚呼、どうすればいいんだ

 

「だまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 この日、俺の声が学校全体に届いたとか、届いてないとか


 ~~~

「もういい、論外、隠し部屋に連れてけ。それと、まさかないなんて言わないよな?」

 

「あるさ。とりあえず、僕についてきてくれ」

 

「わかった」

 

「ただ、入り口はすぐそこだ。とりあえず、この散乱している本をもとに戻すよ。念力魔法」

 

「わかった、念力魔法。そういえばだがどうしてこうなったんだ?」

 

「いやぁ、混ぜた魔法の中に、衝撃魔法があってね」

 

「どうしてそうなるんだよ」

 

「僕にもよくわからない」

 

「はぁ、これだから」

 

「なにがだい?」

 

「いや、いいよ」

 

「そうか。では、頑張っていこう」

 

 ~~~

 

「これで最後の1冊だ」

 

「よし、終わったね、ではついてきてくれ」

 

「ここに何があるんだ? 本棚しかないだろ」

 

「そう見えるだろう? でも違うんだ。ここの本棚をどかすと、一見何の変哲もない、床が出てくるんだ。でも、ここが隠し扉なんだ。これに、特殊な魔力配分で魔法をかけると……ほら空いた」

 

 すごいな、石でできた床がいきなり開いて、会談が出てきた。うーん、使用魔法の内容は念力魔法だけじゃないな。穏当に興味深い、これは失われた技術の1つだな。これ1つでも十分な収穫だぞ。これも解き明かしてみたいな

 

「おや、早くいかないのか?」

 

「ああ、そうだな」

 この先に待っている魔導書にも期待だな

 

 苔むした、階段に見えるが。何か、魔法の仕掛けとかないのか?

 

 うーん、これには壊れない魔法がかかってそうだな。

 

 これも失われた技術がふんだんに使われているんだろうな。

 

 あー、これも調べたい。

 

「ああ、そうだ。すまない、そこの扉を閉めるぞ」

 

「ああ、分かった」

 なんで閉める必要があるんだ?

 

「君に1つアドバイスがあるんだが、ここは貴族などには見せないほうがいい。見せた暁には、研究のために、国の中枢まで持っていかれて、当分読むことはできなくなるだろうからな」

 

「わかった」

 

「そろそろ、部屋だ。ここが書庫だと思われる場所だ」

 

「おおー。ん? 何か書いてある石板があるな。えーと何々『人は過ちを繰り返すものだ、過ちを繰り返さないようにしても。数世代後には忘れられ、また繰り返してしまう。この部屋に立ち入るものよ。どうか、この部屋の知識を、悪用しないでくれ。そして、悪用するような、者に伝えないでくれ』か。なるほどな」

 

「それと関係がありそうな石板もあるんだ。内容は過ちを起こさないためには、強き力を使いこなし、一部のもののみで秘匿するべきである』と書いてあるんだ。ああ、それとアドバイスだが司書の仕事は忙しくないが、人が良く入ってきて、いないと怪しまれるから、早朝や深夜だけにここに来るといい。前一度、大捜索会が行われかけたことがあっただろう?」

 

「ああ、そういえばそんなことあったな」

 まあ、結局はあの先生のことだし、どっか行ったんだろうで片付いたんだよな

 

「まあ、だから、そういうふうにならないようにしたほうがいいよ。まあ、見る時間は寝る時間も考えると少なくなるけどね」

 

「まあ、それは無眠魔法を使えばいい」

 

「そんな魔法あるの? 僕聞いたことないんだけど」

 

「まあ、知ってる人のほうが珍しいだろう。だって、デメリットが大きすぎるせいで、使い手がほとんどいないんだから」

 にしても、こいつ意外としっかりしてるときはしてるんだな。少しだけ見直したな

 

「デメリットって?」

 

「いきなり眠気が襲ってきて、どんな状況だろうが、眠りにつく。魔法をうまく使えば5分くらいはしのげる」

 

「それって会議とかに、切れちゃったら」

 

「ああ、大丈夫会議はうまいこと言って出ないから」

 

「君ぃ」

 

「大丈夫だ、どんなところでもなりふり構わず、魔法の実験を始めるお前よりかはましだ」

 

「なりふり構わずじゃない、一応場はわきまえているんだぞ」

 

「授業の最中も実験をするのに?」

 

「その通りだ、そもそも、授業は魔法に関して学ぶところなんだかいいだろう」

 

「なんだその謎理論」

 

「何が謎なんだい?」

 

「ああ、もういい」

 

「そうかい、あ。そろそろ、戻ったほうがいいんじゃない? 9:00だ、生徒が来るまであと10分」

 

「ああ、ありがとう」

 ここの、魔導書は夜までお預けだな。読んでたらすぐに古いものだとばれるような見た目をしているうえ、魔法も効かなさそうだから。持っていくことはできないな

 

 まあ、急ぐとするか

 

 ~~~

 

「さっきの開く魔法を感じを見る限りここをこうすれば、あ、いけた」

「なんで、さっきの1回で、分かるんだい?」

 

「わかるものはわかるんだ。そもそも、大前提として、上位魔法使いになるには、こういうどこかぶっ飛んでいるところが必須だ」

「そうなのか」

 

「ああ、お前のように頭がぶっ飛んでいてもどうにもならないからな」 

「ひどいこと言うじゃないか」

 

「なぜだと思う?」

「さあ?」

 はぁ

 

「ああ、そういえばだが、お前解雇されたんじゃ」

「司書は解雇されたよ。でも、教師として再雇用だそうだ。ただ、緊急教師だから、暇を持て余しているんだよ。ということで時々やってくるから」

 

「こないでくれ」

「特殊魔法も教えてあげるから」

 

「おまえと話すよりもましだ」

「どうしてだい?」

 

 無自覚なのが問題だよな

 

「まあいい、じゃあな」

「はいはい」

 

 あいつ、廊下を全力ダッシュしてるんだが。マナーって知ってますか?

 

 まあ、とりあえず、生徒を迎えるために、少し、通路を改善するか。まあ、この作業は生徒に見られても何の問題もないし、ゆっくり頑張るとするか。

 

 あ! そうだ! 片手に魔導書を持ちながらやればいいんだ、何かにぶつかりかけたら簡単な音魔法を使って音を鳴らして伝えるようにすればいいな。

 

 まったく、これからどうなることやら。

 

 

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