表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

変わらない隣

作者: ごはん
掲載日:2025/08/21

澄川悠には、数えるほどしか友達がいない。

けれど、その一人ひとりは深くつながっていて、長く心に残る存在だった。


ある夕暮れ、親友の美咲が電話をかけてきた。

声はかすかに震えていた。

「ねぇ、私さ…仕事、やめようと思うんだ。頑張ったけど、もう無理かもしれない」


悠はしばらく黙って耳を傾けた。

彼は慰めの言葉をすぐに投げかけるタイプではない。

ただ、美咲の声の裏に隠された疲れや迷いを、静かに受け止めていた。


「美咲は、いつも全力でやってきたよね」

やがて悠が口を開いた。

「だから、今しんどいって思うのは当たり前だと思う。

 でもさ、やめるかどうかは、疲れが少し落ち着いてから決めてもいいんじゃない?」


美咲はしばらく沈黙し、やがて小さな笑い声を漏らした。

「悠って、すぐには答えをくれないけど…話すと落ち着くんだよね。不思議」


悠は微笑み、窓の外に沈みゆく夕日を見つめた。

「俺は、美咲がどんな選択をしても、友達でいるからさ」


その一言に、美咲の声は少し明るさを取り戻した。

「ありがとう。悠がいてくれてよかった」


電話が切れたあと、悠は自分の胸に広がる温かさを感じていた。

――数は多くなくてもいい。

少数の友の隣にいて、変わらない灯火であり続けたい。

それが、自分の役割なのだと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ