再開の夜
居酒屋の個室、夜。
久しぶりに集まった高校の同級生5人は、思い出話に花を咲かせていた。
佐藤 龍「いやー、懐かしいな!翼、お前変わってねぇな!大人しくて、笑」
鳥越 翼「うるさいな……別に、変わらなくていいだろ」
加瀬 美乃「千紘は元気だった?全然連絡くれないんだから心配してたよ」
窪田 千紘「ごめん……でも、みんなに会えて良かった」
五木田 賢治「まさか、あのメンバーで集まれるとはな。10年ぶりくらいか?」
龍「高校卒業してからだな。……っつか、お前ら顔変わってねぇな〜!俺なんて老けたって言われんだぞ!なぁ千紘!」
千紘「え、えっと……そう、かな……?(困ったように笑う)」
美乃「はは、変わったのは龍の髪型くらいよ。そんなにいじられてたっけ?」
賢治「いじられてたよ。むしろ、いじられるために生まれてきたような奴だったろ」
龍「ひでぇなお前ら!俺が場を盛り上げてやってるってのに!」
翼「……でも、こうやって集まれて……嬉しい」
千紘「……うん。ほんとに……」
笑い声が個室に響き、酒が進んだ。
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深夜。飲み会を終え、5人はフラフラと歩いて帰路についていた。
静かな夜道。
龍「次はさ、温泉とか行きたくね?」
美乃「いいね、旅行!でも休み取れるの、賢治だけじゃない?」
賢治「まぁな。フリーのプログラマーだから、時間は自由だ。金はないが」
千紘「私は……行きたいな、旅行。みんなと」
翼「俺も……たまにはいいかも」
龍「よっしゃ、決まりだな!」
……その瞬間だった。
――ガサッ!
茂みの奥から突然、黒ずくめの男たちが飛び出してきた。
翼「……えっ、なに――」
千紘「きゃっ!!」
龍「うわっ!?おい、なんだ――おい!離せっ!」
次々と黒服たちに取り押さえられ、麻袋を頭にかぶせられる5人。
何が起きているのかわからないまま、意識が薄れていった――
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静寂。どこかの密室。
鈍い光が差し込む蛍光灯の下、5人は冷たい床の上で目を覚ました。
翼「……っ、ここは……?」
千紘「う……うそ……なにこれ……どこ……?」
龍「……いてて……おい、これ夢だよな?なあ!?翼、夢オチってオチじゃねぇよな!?」
美乃「まって、みんな無事?……なんでこんなとこに……」
賢治「くそ……閉じ込められた……窓もない……ドアも……開かない……」
部屋はコンクリート打ちっぱなし、監視カメラ、冷たい鉄の扉だけ。
そのとき、スピーカーから不気味な機械音声が流れた。
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「ようこそ。皆さん、ここから3日以内に『裏切り者』を見つけてください」
「裏切り者以外には、3日後、毒ガスが注入され、死に至ります」
「ヒントは……あなたたちの"過去"にあります」
「健闘を祈ります」
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沈黙が支配する。
美乃「う、うそでしょ……裏切り者って……なに?そんなの、いるわけないじゃない……」
龍「ドッキリ……?カメラあるし……そうだよな?おい、誰か出てこいよ!なあ!!」
賢治「……いや、これは本気だ。ふざけてる空気じゃない……」
翼「……裏切り者って、誰のことなんだ……」
千紘「そんなの、いないよ……だって……私たち、仲良しだったじゃない……」
美乃「誰かが、誰かを……騙してたっていうの……?私たちの中で……?」
龍「いや……ありえねぇよ……お前ら、全員……信じてるからな、俺……」
重たい沈黙が、再び部屋を覆った。
やがて――
賢治「……だが、もし誰かが本当に裏切っていたとしたら……」
千紘「…………」
翼「……それを、見つけなきゃ……俺たち、死ぬんだよな……」
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高校の同級生5人組
鳥越翼 男
窪田千紘 女
五木田賢治 男
加瀬美乃 女
佐藤龍 男
全員25歳の仲良し5人組




