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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第14章 チューリップ ── 真実の愛、改めて好きになる気持ち
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第81話「甥っ子と、ちょっと先の未来」

翔平との久しぶりの会話。

兄・涼也の変化を感じながら、それぞれの家族のカタチが、ゆっくりと重なっていく——そんな静かで温かい夜。

涼也と結衣の家に、翔平がふらりと立ち寄ったある晩。

テーブルには お茶とお菓子が並び、くつろいだ空気の中、自然と会話が始まった。


結衣がふと思い出したように問いかける。


「翔平くん、結婚してるって言ってたよね?」


翔平は頷きながら笑った。


「うん。もう5年目になるかな。子どももいてさ、毎日が戦場だよ。笑」


驚いたように目を丸くする結衣。


「えっ、子どもいるの? 何歳?」


「4歳。男の子でさ。とにかく元気すぎて、こっちの体力が追いつかない。

でも嫁さんがしっかりしてるから、なんとか回ってるって感じ」


その言葉に、涼也が何気なく加わる。


「……だから、俺、今度の週末 預かろうかって言ったんだよ」


翔平が思わず「え?」と顔を上げる。


結衣も驚いたように問い返す。


「預かるって……甥っ子くんのこと?」


涼也は頷き、少し照れくさそうに言った。


「うん。たまには奥さんにも休んでもらった方がいいだろ。

お前ら夫婦、休みの日もほとんど子育てに追われてるじゃん。

俺らは、まだ新婚で時間に余裕あるし、結衣ちゃんも一緒なら安心だしさ」


翔平は、しばらく ぽかんと涼也を見つめていたが、やがて苦笑まじりに言った。


「……マジで? いや、それ助かるけど、結構大変だぞ?」


すると、結衣が柔らかく微笑みながら言った。


「ううん、むしろ楽しみ♪ 甥っ子くんに会ってみたいし!」


涼也も目を細めながらうなずく。


「俺、最近動画見てるだけで癒されてるからさ。

本人来たら癒し通り越して、多分ずっと笑ってると思うわ」


翔平は、そんな兄の変化にしみじみと呟いた。


「涼兄、なんか大人になったな〜って思う。

甥っ子預かるって聞いたとき、マジで感動したわ。

昔なら『俺にできるわけない』って即断られてたと思う。笑」


涼也は少し照れながらも、まっすぐな声で応えた。


「……それは否定できん。笑

でもさ、なんか最近思うんだよな。

結衣ちゃんとの子どもができたら、こんな感じかなって。

甥っ子見てると、つい想像しちゃうんだよ」


翔平は目を細めて、ゆっくりと頷いた。


「……うわ、マジで変わったな涼兄。

でも、それ……めっちゃいいじゃん。いいパパになるよ、絶対」


そのやりとりを聞いていた結衣が、ぽつりとこぼす。


「……子どもできたら、涼ちゃんに似たらいいのにな」


すると涼也がすぐに言い返す。


「結衣ちゃんに似た方が絶対かわいいよな。

男の子でもきっと、かっこよくて優しい子になると思う」


翔平は少し大げさにため息をつきながら、笑い交じりに言った。


「……はいはい、新婚さん ごちそうさまでした〜」


そんな何気ない会話が続く中、二人の間に流れる穏やかな空気が、少しずつ“家族”という言葉を形にしていくようだった。

お忙しい中、今日も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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