表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第14章 チューリップ ── 真実の愛、改めて好きになる気持ち
80/108

第80話「支え合いのカタチ」

静かな夜、二人きりの時間の中で、涼也がふと口にした言葉。それは兄としての覚悟と、パートナーへの感謝から生まれた決意でした。

細やかな会話の中に込められた「支えたい」「支えられている」の気持ちが、ゆっくりと交差していきます。

夕飯を食べ終え、洗い物も片付いた後の静かな夜。

ソファに並んで座る二人の間に、心地よい余白のような沈黙が流れていた。


その空気を破ったのは、涼也のふとした一言だった。


「……俺さ、翔平に言ってみようと思ってる」


「え?」

隣でスマホをいじっていた結衣が、顔を上げる。


「何を?」


「ちゃんと向き合えって。家族とさ」

涼也は天井を見上げながら、少し考えるように言った。


「この前ちょっと話したとき、翔平が家庭のことで悩んでるって言っててさ。

こっちは、まだ新婚みたいなもんだし、偉そうなこと言える立場じゃないなって思ってたけど……」


そこまで言って、少し黙る。

そして、ぽつりと続けた。


「……でも、今日思ったんだよ。

俺、自分が誰かに“支えられてた”ってことに、ようやく気づいたんだ。

それって結衣ちゃんのことなんだよな。

日々の中で何気なく受け取ってた優しさとか、言葉とか、気がついたら すっかり甘えてたなって……」


結衣は静かに目を細め、黙って聞いていた。


「だから、今度は俺も返していきたい。

ちゃんと“ありがとう”って言葉にするだけじゃなくて、

行動でも、気持ちでも、結衣ちゃんに“支え返してる”って思ってもらえるように……

そういうの、やっていきたいなって思った」


そう言い終えた涼也は、どこか照れくさそうに笑った。


結衣は、しばらく黙っていたが、やがてゆっくりと口を開く。


「……私の方“が”、涼ちゃんに支えてもらってるけどね」


「え?」


「ほんとだよ。

涼ちゃんがいてくれるだけで、安心できるし。

何でもない日が、ちゃんと大事な時間になる」


涼也は、少しだけ目を細めた。


「そっか……じゃあ、お互い様だね」


「ううん。私の方がちょっと多い」

そう言って、結衣は くすっと笑った後、少し照れたように続けた。

「でも……今の言葉だけで、私には十分すぎるくらい伝わってきたよ。

そうやってちゃんと気づいて、言葉にしてくれるのって……ほんとに嬉しい。

……やっぱり、私の方が支えてもらってばっかりだなって思った」


「……じゃあ、これからもたくさん言うわ」


「うん、私も聞き飽きたって思われても しつこく言うね」


「結衣ちゃんが相手だと聞き飽きないよ」


照れくさいような、でも確かな笑顔が二人の間に広がる。


静かな夜の部屋に、言葉にならない想いがそっと流れていた。

お忙しい中、今日も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ