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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第2章 コスモス ── ふと、重なる気持ち
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第8話「私たちだけの“同じこと思いましたw”」

涼也からのリプライに結衣は、どんな反応を示すのか? 少しずつ近づく二人の関係に、新たな変化が訪れる予感。

帰りの電車、揺れる車内でスマホを開いた。

通知を見て、ふわっと胸があたたかくなる。


涼也さんが、私の投稿にリプライをくれた。

たった一言。でも、思わず吹き出してしまった。


「社食で優勝は笑いましたw たしかに、あれは無敵です」


誰にも言ってないのに。

まさか、“優勝”のニュアンスが伝わってるなんて。


すぐに返信した。


「同じこと思いましたw」


送った後、心臓の音が大きくなる。

タイミングもぴったり過ぎて、なんだか——


(私たち、ちょっと似てるのかも……)


少し照れくさくて、でも嬉しくて。

電車の中なのに、頬がゆるんでしまうのを隠せなかった。



家に帰っても、その一言が頭の中で何度も再生された。

「同じこと思いましたw」

ただのネットの言葉のはずなのに、今はもう特別な響きに変わっている。


ポケカラの歌に惹かれて、

コメントして、

会って、

Xで相互になって……。


きっと、ここまで来られたのは“偶然”だけじゃない。


ベッドに寝転びながら、ふと画面を見つめる。

「彼女……いないのかな」


自然に思った。

気になってしまった。


——あんなに優しくて、人気もあって、

きっとモテるに決まってるのに。


(でも、あの笑い方……誰かと付き合ってたら、あんなふうに笑ってくれるかな)


考え過ぎかもしれない。

だけど、心がそっと期待してる。


いつか、もし聞けたらいい。

涼也さんのこと。

ちゃんと、自分の言葉で。


今はまだ、その手前。

でも、すぐそばにいる気がしてる。

この“同じこと思いましたw”が、私たちの小さな合図みたいに思えて——


画面をスリープにして、胸にそっと手を当てた。

ゆっくり、深呼吸する。


まだ何も始まっていない。

でも、心の中では確かに——


始まりかけている気がした。


お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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