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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第12章 ポインセチア ── 祝福、幸せを願う
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第72話「二人だけの青い海」

たくさんの人に囲まれる結婚式も素敵だけど、二人だけの時間を大切にする選択もまた特別。青く澄んだ海のそばで、心がほどけるような静かな幸せが広がる。

結衣は窓の外に広がる青い海をぼんやりと見つめながら、ぽつりと言った。

「いろんな人を呼ぶのもいいけど、準備や気遣いが大変だし…」


涼也は、そんな結衣の言葉を受け止め、にっこりと提案した。

「だったら、思い切って二人きりで海外挙式なんてどう?」


結衣の顔にふっと笑みが広がる。

「そのまま新婚旅行も兼ねられるし、一石二鳥だね!」


「そうだね。誰に見せるとかじゃなくて、自分たちの気持ちをちゃんと残せたら、それだけで十分だと思う」

涼也は結衣の手をそっと握り、優しく続けた。



澄み渡る青空と海を背景に、結衣は涼也の手のぬくもりを感じながら、心がほどけていくのを実感した。


二人きりの挙式。

招待客の準備に追われることもなく、ただお互いの想いだけに集中できる、かけがえのない時間。


ここは“天国に一番近い島”と呼ばれるニューカレドニア。

けれど結衣にとっては、涼也が隣にいるこの瞬間こそが――一番近い“幸せ”だった。



挙式の後は、海が見えるテラスで二人きりのディナー。

ロブスターのグリル、島野菜のラタトゥイユ、そして とろけるようなココナッツのデザート。


テラス席に並ぶ料理に、結衣の目が輝いた。

「なにこれ…どれも初めて見る感じ…!」


涼也はスプーンを持ち上げて香りを楽しみながら説明を始めた。

「これはブイヤベース。南フランスの魚介スープだけど、ニューカレドニアはフランス領だったから、こういう料理も多いんだ。スパイスは控えめで、素材の出汁で勝負って感じかな」


「じゃあ、こっちは?」

結衣が指差した黄金色の魚に、好奇心いっぱいの瞳を向ける。


「マヒマヒのグリル。白身だけど しっかりしてて、バターとレモンで焼くのが定番。淡白だから、こういうシンプルな味付けが合うんだよね」


「へえ~…すごい。さすが料理研究家」

結衣は感心して涼也を見る。


涼也は微笑みながら説明を続けた。

「名前負けしないよ。天使みたいに繊細な味って言われるくらいなんだ。それに、これはシヴェ・ド・セルヴァルっていう鹿肉の赤ワイン煮込みでね。じっくり煮込んであって、ソースはちょっと重ためだけど、肉はホロホロで食べやすいんだよ」


涼也が微笑んで、次の皿を指した。

「で、これがブルーシュリンプ。日本では“天使のエビ”って呼ばれてる。ニューカレドニアのラグーンで養殖されてて、透き通るような青みが特徴なんだ。火を通すと、ぷりぷりで甘くなる」


「名前からして美味しそうだけど、見た目もきれい…」

結衣は目を輝かせながらフォークを手に取る。ひと口運ぶと、思わず顔がほころんだ。

「…すごい、甘い…!エビってこんな味だったっけ?」


「でしょ?」

涼也は結衣の反応に嬉しそうに頷く。

「ここの海水で育つから、ほんのりミネラルも感じるんだ。素材だけで勝負できるって、まさにこのことだよね」


「どれも料理の説明が物語みたいだね」

結衣は感心したように笑って、さらに目を輝かせながら料理に見入った。


「美味しい…」とつぶやく結衣の横顔を見て、涼也は自然と笑みがこぼれた。

彼女の「美味しい」が、この日一番の祝福の言葉だった。


青く澄んだ夜の海が、二人の心を静かに包んでいた。

お忙しい中、今日も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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