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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第11章 レンゲソウ ── 何でもない日が、愛おしくなる
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第62話「次は、打ち上げ花火」

初夏の風に誘われて、涼也と結衣は並んで歩いていた。

父の日の出来事から少しだけ時間が経ち、二人の間には、前よりも確かで穏やかな空気が流れていた。

夕方、二人はスーパーからの帰り道を歩いていた。

日が長くなり、空は まだほんのりと明るさを残している。涼也は買い物袋を持ち替えたりしながら歩き、結衣は隣で歩きながら空を見上げた。


「最近、日が長くなってきたね」


結衣の言葉に、涼也が少し微笑みながら答える。


「うん。朝の撮影、もう暑くて大変だったよ」


「今日は何作ったの?」


結衣が楽しそうに尋ねると、涼也は少し誇らしげに答える。


「冷やしおでん。夏仕様にしてみた」


「え、食べたい…!」


結衣が目を輝かせる。涼也の料理は、いつも間違いなく美味しい。想像しただけで、わくわくしてしまう。


「今度、作ってよ」


結衣が嬉しそうに言うと、涼也は軽く笑いながら頷いた。


「もちろん。結衣ちゃんのためなら、どんなメニューでも」


結衣は思わず笑みがこぼれて、涼也を見ながら言った。


「涼ちゃんが作ってくれるなら、どんなメニューでも美味しいだろうな」


涼也は軽く肩をすくめ、笑顔を見せる。


「それなら、どんどん食べてね! 野菜もいっぱい入れちゃおっかな」


二人は少し歩きながら、穏やかな時間を過ごした。その後、結衣がふと思い出したように口を開いた。


「…そういえば、誕生日の花火、楽しかったな」


結衣が楽しそうに目を細める。


「あのヘビ花火、想像以上だったよね」


涼也が一瞬驚いたように目を向け、笑って答える。


「いや、ほんと、あんな暴れるとは思わなかった。俺、ちょっと後ずさってたし」


結衣がくすっと笑いながら、涼也を見た。


「でも、あれもすごく楽しかった。今度は、もっと大きな花火を見たいな」


涼也は少し考え込むように空を見上げ、そして言った。


「…あれも良かったけどさ、今年は一緒に打ち上げ花火、見に行こうよ」


結衣がその言葉に驚き、そして嬉しそうに顔を輝かせた。


「行きたい! 打ち上げ花火、絶対見たい!」


涼也は微笑んで、少し照れたように言った。


「〇〇川沿いで8月に花火大会があるんだって、知り合いのカメラマンが言ってた。すごく綺麗らしいよ」


結衣は すぐに考え込んで、ふと浴衣のことを思い出す。


「浴衣、着ようかな…」


涼也がその言葉に反応し、顔を優しく照らすように微笑んだ。


「うん。絶対似合うよ」


結衣が少し照れくさくなり、ふと手を伸ばして小指を差し出す。


「じゃあ、約束ね」


涼也は その小さな手を見て、しばらく迷った後、優しく指を絡めた。


「約束。楽しみにしてる」


結衣は頬を赤らめつつも、嬉しそうに頷きながら歩き続けた。心の中で、その約束がどんどん大きくなっていくのを感じていた。


涼ちゃんと見る、夏の花火。

手をつなぐだけで胸が高鳴った、あの夜よりも

もっと大きな景色を、一緒に見られる気がした。


約束って、こんなに嬉しいんだ。

それが“涼ちゃんとの”約束なら、なおさら――

お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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