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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第1章 芝桜 ── 小さな一歩、密やかな好意
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第5話「癒されたのは、こっちの方かも」

心に響く言葉に、また一歩踏み出した結衣。そっと送った返信が、二人の距離を縮めていく――。

結衣は、スマホの画面を見つめたまま、心のどこかがふわっとあたたかくなっていた。


──涼也さんからの返信。


「正直あの歌、何回か聴いちゃいました」

「あれ、もしかして僕の方が癒されてたのかもですw」


(……なんで、こっちが照れてるの……)


聴いたのは、私の方なのに。

声に癒されたのは、間違いなく、私の方なのに。

でも、なんだろう──この、じんわり嬉しい気持ちは。


スマホの画面には、涼也さんの投稿。

料理写真に混じって、さりげなく載せられた日常の一言や、たまにあるちょっとしたボヤき。

どこか自然で、親しみがあって、いつの間にか目が止まってしまう。


──なんでこの人、こんなふうに言葉を選べるんだろう。


素直に伝えてくれた言葉。

変に飾ったり、距離を置いたりしないやりとり。

たった一言のリプライが、こんなにも心に残るなんて。


(もう一回、読み返しちゃおうかな……)


画面をスクロールしながら、結衣の頬がまたぽっと熱くなる。


「癒されてたのかも」──その「かも」が、やさしい。

断言しないからこそ、まっすぐに伝わってくるものがある。


(私も、言ってみようかな……)


ほんの少しだけ、勇気を出して、返信を書いてみる。


「そんなふうに言っていただけて嬉しいです。

 でも……やっぱり、あの声に癒されてたのは、私の方でした。」


送信した後、結衣は そっと深呼吸をした。


画面の向こうの誰かと、少しずつ言葉を交わせること。

それがこんなにも嬉しいなんて──思ってもみなかった。


お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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