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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第6章 シャリンバイ ── 強く静かに寄り添う心
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第34話「優しさの夜」

老夫婦に部屋を譲り、涼也と結衣はツインルームで一夜を共にすることに。お互いの優しさと冗談交じりのやりとりが、二人の距離をさらに縮める。

老夫婦に部屋を譲った結衣と涼也は、スタッフの配慮で空いていたツインの部屋に案内された。


「同じ部屋だけど、安心してね」と涼也が微笑む。「何もしないから。だって、結衣ちゃんに嫌われる方が絶対イヤだからね」


結衣は少し照れながらも、そっと笑って言った。

「ありがとう。……涼ちゃんなら、襲われても…いいよ」


涼也は目を見開き、顔を真っ赤にしながら慌てて言った。

「や、やめて…本当に襲いたくなるから…」

まるで修行僧のように目を閉じ、自分を律するような仕草に、結衣は くすっと笑った。


「そんなに真剣な顔しないでよ。冗談だってば」


部屋に戻り、結衣はシャワーを浴びてからベッドに入り、隣のベッドでは涼也がすでに横になっていた。仕事の疲れもあってか、あっという間に静かな寝息が聞こえてくる。


「もう寝てる…」と結衣は微笑みながら、自分も毛布を肩まで引き上げ、目を閉じた。


──翌朝。


早く目が覚めた涼也は、隣のベッドで眠る結衣の姿に気づく。


無防備な寝顔と、肩から少しはだけたパジャマに、思わず視線が引き寄せられてしまう。


「無防備すぎるよ、結衣ちゃん…」と小さくつぶやきながら、慌てて目を逸らす涼也。


(見ちゃだめ、見ちゃだめ…)と必死に心を落ち着ける。


しかし、心の中では「可愛すぎて、修行が足りない…」と小さくため息をついた。


しばらくして、結衣がゆっくりと目を開けた。


「ん…おはよう、涼ちゃん」


「おはよう、よく眠れた?」と涼也は優しく笑いかけた。


「うん、安心してぐっすり。隣に涼ちゃんがいてくれたからかな」


ほんの少し甘さが増した朝の空気。二人の距離は、また少しだけ近づいていた。

お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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