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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第5章 ネモフィラ ── 君を見守っている
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第27話「缶コーヒーと占いと」

信じる・信じないは、人それぞれ。

だけど、不意に誰かの言葉や行動が、心のどこかを揺らすこともある。

今日の会話は、そんなきっかけの一つかもしれません。

とある休日の午後。

人気の少ない公園のベンチに、大悟と涼也が並んで腰を下ろす。

缶コーヒーを2本、手に持った大悟が、無造作に一本を差し出した。


「ほらよ、缶コーヒー。飲むだろ?」


「あ、あざっす…って、さすが大悟さん。自分、基本あんまり缶コーヒー飲まないんすけど、たまにこういうのもアリですね」


「俺は朝これがないと始まんない。ま、ルーティンってやつ?」


「それで言うなら、自分は料理かもっすね。キッチンに立つと落ち着くんすよ」


「だよな。…正直、一回食べてみてぇんだよな、涼也の手料理」


「え、マジっすか。そんな言ってもらえるなら、いつでも作りますけど」


少し意地悪そうに笑って、大悟が言う。


「いや、でも結衣に止められそうだな。“ダメ!涼ちゃんの手料理は、私がひとりじめするんだから!”…とか言いそうじゃね?笑」


ちょっと照れながら、涼也がぽつりと漏らす。


「…かわいい。言われたいっす、それ」


「いや、反応おかしいだろ。笑」


しばらく笑い合った後、ふと話題が変わる。


「そういや、今日の朝テレビでやってたわ。星座占い」


「あ、自分も結衣ちゃんと見てましたよ。結構いい結果だったんで、ちょっと信じたくなりました」


「へぇ〜、またそうやって仲良しアピールしてんのか?相変わらずラブラブだな。俺は そもそも、そういうの信じねぇタイプだからな」


「そうなんすか?」


「ああ。人間の運命が誕生日で決まるとか、なんか信じきれなくてさ。…ま、言い切っちまうと可愛げないけどな」


その言葉は、

ある人との出会いで──ゆっくりと変わっていくことになる。


木漏れ日の下、二人は缶コーヒーをひとくち。

似ていないようで、なぜか気の合う二人。

その静けさも、なんとなく心地よかった。


お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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