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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第5章 ネモフィラ ── 君を見守っている
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第26話「正反対、なのにしっくり」

テレビから流れてきた占い番組をきっかけに、二人の“似ているようで違うところ”がちょっとずつ浮かび上がってきます。

占いなんて信じ過ぎなくていいけど…でも、ちょっとだけ信じてみたくなる夜。


※ 作中に占いや性格診断の描写がありますが、占いや診断は物語を楽しむための要素です。特定の性格や考え方を決めつけるものではありませんので、どうぞ気軽にお読みください。

休日の朝、涼也の部屋。

BGM代わりにつけていたテレビから、占い番組が流れてきた。


「次は〜、牡牛座!」


「おっ、結衣ちゃん!」

涼也が声をかけると、結衣も画面に目を向けた。


「恋愛運◎!『五感を満たすものが幸運を呼ぶ』だって」

「なんか、すっごく結衣ちゃんっぽいね」

「っぽいかな?でも、たしかに食べるの大好きだし…旅行先も、ほぼゴハンで決めてるかも」

「やっぱり牡牛座だわ」


二人で笑い合う。


「次、蠍座!」


「おっ、俺だ」

画面に表示された言葉に、涼也が目を止める。


『恋愛運◎ 本心を分かち合うことで距離が縮まる』


「……これも、ちょっと当たってるかも」

「涼ちゃんって、言葉の裏とか、そういうのちゃんと見てるよね」

「うん。表面より、中身が気になるっていうか」


結衣が ふと、自分のスマホを手に取った。

「ねぇ、これ見て」

相性占いのページを開いて、涼也に見せる。


「『牡牛座と蠍座は“正反対だけど深く繋がれる関係”』って書いてある!」

「ほんとだ。あ、“離れられない相性”って書いてある」

「うわー、やっぱり嬉しいね。ちょっと照れるけど」


「でもさ、一途なとこは おそろいでしょ?」

「うん。それは絶対に同じ」


涼也は、結衣をまっすぐ見つめながら言った。


「ほら、ここにも“牡牛座は じっくり考えるタイプ”ってあるよ」

「それは大当たり。私、すごく迷うもん」

「俺も決めるまでは時間かかるけど、決めたら迷わないタイプかも。…たぶん、それが蠍座なんだな」


「似てるところもあるし、違うところもあって、ちょうどいいんだよね」

「うん。似てると安心するし、違うと新鮮で楽しい」


涼也もスマホを手に取り、何かを調べながら少しニヤリと笑った。


「…占いアプリで調べてみたけどさ、やっぱ牡牛座と蠍座の相性、抜群だって」

結衣が少し驚いて涼也を見つめると、彼はさらにニヤニヤと笑みを深めた。

「結婚も、◎って書いてあるよ」


「え、マジで?」

「うん、マジで。前に見たアプリでも、同じように書いてあったし」


結衣は目を大きく見開いて、涼也を見つめた。


「じゃあ、信じてみようかな」

涼也は、少しだけ真面目な顔で結衣の手を握った。


「俺は、ずっと信じてるけどね」

お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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