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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第4章 勿忘草 ── 伝えたい想い
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第23話「上がるだけの一年、始まります」

年末から年始へ。

変わらない声と、やさしい時間に包まれて――。

新しい一年の始まりを、二人で迎えます。

年末の夜。

(なんとなく、涼ちゃんの声が聞きたくなって──思わず電話をかけた)


「もしもし? 今、大丈夫だった?」

「うん、ちょうどまったりしてたところ。どうした?」


なんてことない会話。

「良いお年を」には、まだ少し早くて──ほんの少し話すだけのつもりだったのに、

気づけば話は尽きず、時計の針は0時を過ぎていた。


年越しの瞬間を電話越しに迎えるなんて、思ってもみなかった。


ちょっとだけ寝不足な元日。

でも、明日の初詣が楽しみな気持ちは変わらない。


「ねえ、明日、初詣楽しみにしてるね」

「うん、楽しみだね。今日は遅くなっちゃったけど、明日は ゆっくり行こう」


照れくさいけど、優しい声に心が ぽっと温まった。


*


年が明けて、二人で初詣へ。

人で賑わう神社の境内。空気は冷たくて、でも心は不思議と穏やかだった。


鐘の音に耳を澄ませ、二人で並んで手を合わせる。


そして、おみくじ。


「…………えっ」


まさかの“大凶”。


「うわ……どうしよう。年明け早々これって……」

半べそで紙を見つめると、涼也が笑いながら言った。


『大凶って、一番上がり幅あるんだから、いいんだよ。だって、あとは上がるだけでしょ?』


その笑顔に、結衣の心がふわっと軽くなる。


「……そっか。たしかに、そうだね」


結衣が境内の木におみくじを結び終えて手を離すと、冷たい風が指先にふれた──

その瞬間、涼也がふいにもう一枚のおみくじを差し出してきた。


「……え?」


「ほら、俺の。大吉だった。結衣ちゃんにあげるよ」


「え、だめだよ、それ……」


「いいの。俺は もう、十分幸せだから」


「……ありがと。これ、お守りにする」


にこっと笑って、大吉のおみくじをそっと胸元にしまった。


空を見上げると、澄んだ冬の空に星が静かに瞬いていた。


*

【不安なこともあったけど、年の始まりがこんなにあたたかいなんて──

やっぱり、涼ちゃんと一緒でよかった】

お忙しい中、読んでいただきありがとうございました!

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