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再生回数7回のラブストーリー  作者: 市善 彩華
第17章 バーベナ ── 分かち合う幸せ、家族のカタチ
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第101話「これからも、家族で」

麻衣が生まれてから5年。

律は7歳、麻衣も5歳になり、しっかりとした口調や表情に子どもらしい成長がにじむ。

今日は久しぶりに、家族4人でピクニック。日常の中にある幸せを、誰よりも感じていたのは――。

春の陽射しが心地よい休日の朝。

結衣たちは、大きなレジャーシートとお弁当を持って、公園の芝生広場にやってきた。


どこで覚えたのか、「いごっそう」と「はちきん」を、2人は何度も飽きずに繰り返していた。

意味なんて多分わかっていないくせに、律と麻衣は得意げに言い合っては笑っている。


ピンクの帽子を被った麻衣は、結衣のそばでピョンピョンとはねる。

律がリュックから おもちゃを取り出しながら言う。


「今日はシャボン玉、100個以上飛ばすって決めたんだ!」


「それ、数えるの大変そう」と涼也が笑いながらも、ちゃんと準備を手伝っている。


桜の木の下にシートを広げると、子どもたちは「わー!」と歓声を上げて走り出した。

律が木の幹に登ろうとし、麻衣が「おにい、危ないよー」と叫ぶ。


「大丈夫だって! ちゃんと気をつける!」


そんなやりとりに結衣は、ふふっと微笑む。


「いつの間にか、ほんとにお兄ちゃんらしくなったね」


「ほんとだ。あんなに小さかったのになぁ」と涼也が感慨深そうに言う。


シートの上に座ってアイスを食べながら、4人の笑い声が響く。

麻衣が結衣の膝に寄りかかって、甘えた声で「ママ、ずっといっしょがいいなぁ」と呟いた。


「もちろん。一緒にいようね。ずっと」


涼也もその横に腰を下ろし、子どもたちの頭をなでながら言った。


「この時間、大事にしよう。いつか大きくなっても、またこうして集まれるように」


律が「僕、大人になってもピクニックする!」と言い、麻衣は「じゃあ私、お弁当つくるー!」と叫ぶ。


結衣は笑って、家族4人を見渡した。


「こんな普通の日が、一番幸せなんだよね」


「うん。これからも、ずっと一緒に」


春の風に桜の花びらが舞う中、家族の笑い声が広がっていた。

未来に向かって歩いていく、その一歩一歩を、愛しさが包み込んでいた。


──5年前、病室で出会ったあの日の想いが、今も胸に響いている。「あなたに会えて、幸せです」と。

それは、今も変わらない。

お忙しい中、今日も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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