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第四十三話

 何でこうも。しかも帆奈に限っては聞く話によるとまさ子と同じ産院でマタニティ教室だったそうだ。互いに夫は爆弾魔による爆発で瀕死を負った状態であるということもあり仲良くなったそうだ。

 

 まさ子に関しては今は県病院に転院になったのだが茜部の話では連絡を取り合っているようである。


「まさ子と帆奈……バディ時代でも会わせたことなかったのに。どういうことなんだ」


 運命の悪戯に頭を抱えるシバ。帆奈とバディの時はそれはもう彼女を寵愛していた。まさ子は申し分のない女性だったが友達が少なくシバに依存気味もありうんざりしていたが、帆奈は程よく賢くて距離も置くが互いに体を重ねることは好きだった。


 そういえば、とシバは自分達の婚姻届を見た。茜部も帆奈と退院後に結婚届を提出したらしいが本当はシバに証人になって欲しかったと言っていたと。実際は瀧本になったらしいが、シバも自分達の証人を誰にしようか……茜部でもいいだろう、リヒトでも、いやと。

 無難に瀧本など警察関係者で固めた方がいいのか。


 シバは結婚、自分が親になるという事実を受け入れることができない。


 本当の家族は壊滅的だが里親たちにはとても温かく育ててもらったはずなのだが、結婚、子育て……想像ができない。


 シバはアアアアアっといきなりの頭痛に襲われる。たまに見る。

 フラッシュバック的なものだろうか。息も苦しくなる。一人でしばらく考え込むと出てくるこの発作的なもの。


 シバ自身実の父親に暴力は受けてないし、まだ赤ん坊の頃であった。

 物心のついていた兄の太郎は父の暴力を目撃しており、それが原因で精神病になり2年前に自死した。


 シバは刑事になって数年後に何の兆候もなくこのような発作が出たのだ。

 しかし誰かといれば落ち着く。だからシバは仕事以外はできるだけだれかといる、所々に女の人がいて会っては身体を交わせるのもその理由の一つ、というのは言い訳なのだろうか。


「薬……薬……あるか?」

 カバンの中に薬はないかと探す。


「あった……あった……」

 処方箋の袋を持ったまま台所に行きシバは錠剤を口に入れて水をコップに入れて飲む。それですぐ治るものではないとは分かってはいるが飲み込むとゼーゼーと言いながら床に伏せる。


「このまま眠りにつけば……大丈夫」

 シバが飲んだのは安定剤と睡眠薬だ。彼はそのまま眠った。着の身着のまま。

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