0章ギルド結成秘話その2:ヒーローとマロンのじゃれあい? 冒険者は集まるのか⁉
ここはマギニアの街にある中心街の噴水通り、ここを中心に武器屋や酒場、宿屋、様々な施設が待ち並ぶ施設に通じている広場であり、マギニアにいる者達の憩いの場ともなっていた。
世界樹踏破を目指し、続々と冒険者や行商人、移住者が集まってくる中、マギニアの中心街を歩いている主人公もギルドを結成し、冒険に挑む為に仲間を探す為、停泊中の飛行船に足を運んでいた。
1人はフードに覆われ、中身の容姿を確認する事はできないが、背の高さからして、8〜10歳程の少年に見える主人公、その容姿からは想像はできないが、どんな秘めた力を持っているのか未知数である。
もう一人付き添いで話す女性は、フードを被っておらず、金髪のローツインテールに前髪が目が青色をした女性で年齢は10代後半で、青白青の縦3色の服に白いフリルが施されたショートスカートにレギンス姿で腕や足には金属製の灰色と小さな装飾が靴や小手に施された金色の靴と小手を装備している可愛らしい雰囲気を醸し出していた。背中には巨大な縦と腰には鋭く細い剣鞘があり、変に手を出そうとしたら、一網打尽にされているだろう。
彼ら二人組は、背の高さも違えば格好も違いその容姿を見て、人々は困惑した顔でひそひそ話をする者、もう見慣れた姿なのか特に気にしないで通りすぎる者に分かれた。
その様子を気にしないで過ごす付き添いの女性、少し苛立った様子を見せる主人公
そんな様子を気にする事もないかのようにサンドイッチと紅茶を楽しみながら、昼食を取っている様子を諦めたかのようにため息をつき、本来の目的を果たすべく、二人は屋台通りの路地を進み始めた。
仲間を探すべく、屋台を進んでいる内に主人公が痺れをきらしたかのように苛立った感じの口調で話し始めた。
「なぁ、マロンこれから、ギルドを結成するっていうのになんでカースメーカーみたいな格好をしなくちゃいけんないんだよ。」
「坊ちゃん我慢してください。相手が坊ちゃんを狙っている族もいるかもしれないんですから、僕が品定めするから。」
『ヒーロージョブの〇〇〇〇(通称:坊ちゃん)はやっぱり可愛なぁ僕が絶対に守るんだからね!あっと、ごめんカースメーカーの説明をしなくちゃだね。カースメーカーは、相手にデバフをかける呪いのスペシャリストとも言われてるんだよ。外見は、フードを被ってて怪しげもあるんだけど、僕は森の中にいる妖精みたいだと思ってるよ。中には影から出てきたお化けと勘違いする子までいるみたいだね。わからなくもないけどさ、でもパーティにいると、迷宮攻略が楽になるから、カースメーカーみたいな子がいると、助かるよね。』
まるでそんな気持ちをわかっていないかのように話している事に半分は呆れた感情を抱きながらも半分は自信ありげに
「大丈夫だって、マロンそんな奴がいたら、けちらしてやるよ。僕の剣術はマロンのフェンサーの時よりも早い残像技だってできる程だ。」
彼女はマロン(パラディン)で、アルカディアというこの世界に存在しているかわからない大陸から来たらしいが、彼女が言うには、別の惑星から来たという事を言っている。
僕をからかっているのか冗談なのかは本当なんだかよくわからない。そもそも別の惑星からどうやって来たんだよ。この飛行船だってつい最近、エトリアの過去の凄い文明の技術を星術使いやら、学者やらがやっとの思いで作ったものじゃないか。待てよ、この件にマロンも関与していた気もするな……
それはさておき、前職ではフェンサーという素早い動きをするジョブをやっていたらしいが、僕を守る為に今ではパラディンを引き受けている。
一応、僕の師匠でもあり、フェンサーの動きはマロンから教わってるし、パラディンみたいな硬いガード技はそんなに覚えられないと思うけど、ちょっとしたガード技もマロンからいつかは教わるつもりだ。
マロンもハイ・ラガードに来てから、パラディンの技法を習得していたみたいだけど、上達速度があんなに速いなんて羨ましすぎる。
『くそ!僕が大人だったら、もう少し色んなことができたんだろうか、はやく大人になりたいよ。』
後、マロンは僕にべったりとすりすりくっついてくるのはやめて欲しい。これから、他の冒険者とパーティを組むって言うんだから、こんな姿見せられるのは屈辱だ!
「坊ちゃん、ここには熟練冒険者も多くいるんですよ。ご自身の事を過信するのは控えた方がいいと思いますよ。」
「それよりも坊ちゃんフードしていても可愛いですね。それ!」
「うわぁ!マロンやめろってくっつくな、周りに変な奴らだと思われるって!」
「ごめんなさい坊ちゃん、僕可愛くてつい、僕気をつけなきゃだよね。大丈夫!僕が他のメンバーもちゃんと探すから!」
マロンは時々、こうして僕口調が強くでてしまうが、そこは彼女のアイデンティだから、僕は尊重しなければいけないと今では思ってる。昔の無知な僕は何にもわかってなかったからなぁ......
「それは頼もしいなマロン、僕のために頑張ってくれ」
マロンは僕の騎士になってくれるって言ってたし、ヒーローの僕に忠実な家臣がいるっていうのは悪くはないと普段から思っていることでもあった。
「ふふふふふふふふふ」
そう言ってマロンは唐突に笑い出した。
「何がおかしいんだよ!?」
僕は状況がよくわからずとっさに返事をしてしまった。
「いや、だって坊ちゃんこの間、『僕はマロンみたいに早く大人になるって』言ってたのに全然まだ僕に甘えてくるから、可愛なぁって」
マロンはニタっと口角が上がり口元に手を添えて笑っているではないか。
「んなぁ!?」
まるで、以前迷宮でみたF.O.Eに驚いたような声を思わず上げてしまう。実際にはそんなに危険な場面ではないのだけれども
「いいんですよ坊ちゃん、僕に甘えても僕は甘えてくる坊ちゃんが可愛くてつい抱きしめてしまうほどなので!あっすみません。さっき僕行動は気をつけるって言ったのに」
マロンは自分の思いを恥ずかしげもなくツラツラと伝えているが、はっと我に帰った様に僕にさっき約束したであろうことを思い出し、バツが悪そうな顔をしてしまう。
そんな顔を見て、昔のマロンとの記憶が脳裏をよぎった。あの時のような事が起きてしまう気がして、つい
「まぁちょっとくらいなら」
と発言したが、脳裏に浮かんだ事を咄嗟に否定したくなり、しまったと僕が発言していた時には時既に遅かった。
「坊ちゃん!可愛いぃぃぃ」
そう言いマロンはまた抱きついてきた。ほら言わんこっちゃないだろと思ったが、マロンとの付き合いもそれなりにあるので理解はしてるつもりである。
「なに馬鹿なじゃれ愛してるのよ。馬鹿な冒険者だと思われるわよ。」
緑色のフードを被った冒険者(謎の少女)が声をかけてきた。